と割り切り気味に言いながら、何ともすっきりしない。私は降板のきっかけとなったとされる放送を吟味しないではいられなかった。

 何度も放送を見た。キャスターの対応に無礼さはない。だがひとつ気づくところがあった。

 それは番組が「なんか、いやーな雰囲気で終わった」ということ。

 生放送にこだわりながら、深刻だったり複雑だったりするテーマを扱う番組では、時にすっきりと終わらないことがあるのは、想定の範囲内であろう。

残り20秒の攻防

 私も(本当に比較して申し訳ないが)、生放送で言い足りずに誤解を与え、いやーな雰囲気で共演者を怒らせてしまい、CM中ずっと罵声を浴びせられ続けたことなどが過去に何度かあるし、それが原因で仕事を失ったこともある。だからといって、皆がびくびくしながら慎重な発言を重ねるだけでは、非常につまらない番組になる。敢えて攻めに徹するか、媚びや温和に走るか、といったことは、そのタレントの仕事の仕方、生き方にかかわる問題として常に自問自答される。

 国谷キャスターは明らかに前者。そうして相手を怒らせるほど踏み入れば、“全面対決”や“自爆”の危険と紙一重のトークになる。それをさせてくれるかどうかはスタッフと局の腹のくくり方にかかる。今回はこの牙城が崩れた、と、私は見る。

 では、スタッフが守り切れなかった直前の番組内容はどうだったか。その、"いやーな雰囲気"になったポイントを検証したい。

 まず、番組の中身について乱暴なダイジェストを書くことにする。

 冒頭で菅氏は言う。「ここ42年の間に、もはや一国では平和を守れなくなった」と。

 そこから、憲法9条の解説、歴代総理の発言、そして新3原則などの説明に時間を使う。そして最後の最後。番組があと40秒で終わる、という時にそれはあった。

 終了40秒前にNHKの男性が官房長官に聞く。

 「(憲法解釈変更への)不安や懸念の払しょくは?」

 官房長官は答える。

 「しっかり慎重にひとつひとつ国会審議で国民に理解を求めていく」

 この2つの会話で残り20秒になった。この時だ。行くつもりか国谷!と驚愕する質問があった。