事実認識の甘さがこういう会見を生む。
すでにモロに出ている写真、そして、他愛なく見えてそのぶん邪悪な印象のLINE会話。それらを前に「誤解」「友達」という言葉のなんと脆弱なことか。
「モロの時代」を前提に危機管理するなら、まずモロにならぬよう最大限に隠す、ということ。これを彼らはしていない。次に、モロに出ているのだから、もうモロに謝るしかないという認識がない。
彼女がした謝罪会見はおそらく想像だが事務所の決死の判断だ。もし、モロ謝り会見だったらどうだったか。
すべてを認め、まず妻に謝り、二度としませんと世間に誓う。これ以外の着地を私は想像できないのだが。この会見なら好感度をそう落とさず復帰できる。なぜなら、たかが不倫、だからだ。人を殺したわけでもない。
記者会見にまで追いつめられた時ほど、「自分の言葉で語る」ことの大事さを実感することができた会見だった。
感謝はどこへ
タレントとして思うことがあるとすれば、手厳しい表現をお許しいただきたいが、なんと感謝を忘れたタレントか、ということくらいか。見るとCMは10社くらいに及んでいた。10社もの企業が自分を買ってくれている。このことへの感謝があれば、好感度が下がる言動には慎重にもなろう。男性側も下積み時代を支えてきた妻だというではないか。その女性への感謝があるなら不用意にカーテン開けてベッドでツーショット撮るか…。
タレントだって駐車禁止もすれば速度違反もすれば不倫もしよう。そういう意味でのたかが不倫だ。そこを擁護するつもりはないが叩くに値するとも思わない。
モロ出しになってしまう時代に嗅覚を鈍らせ、安易にLINEでおやすみを言い合い、「友達だ」で謝罪するユルさとズレ。こっちのほうがよほど危機だ。