最近、地域レベルでの家族葬専門の業者が増えている。まさしく駅前葬儀と言おうか。私の経験では"身内だけ"ということが厳粛さを溶解させ、緊張からも他者の眼からも解放され、安く、気軽に、手軽に、自由な、葬儀だった。

 盛大な葬式を手放しで肯定するつもりはない。高い金を払えばいいというわけではないし、カジュアルな葬儀も、明るい葬儀だってありだと思う。

 例えば、故人が明るい葬儀を望み、おくる側も「いかにも彼・彼女らしい」と故人を存分に偲びながら、泣き笑いしながらドンチャン賑やかにやるなんてオシャレじゃないか。

料金でもなく参列者数でもなく

 しかし、故人の扱いが軽くなるのは、違うと思う。

 家族葬にしても、「真にその人を想う人だけで」の家族葬。「いいじゃん。家族だし」が優先される家族葬。金銭的な制約からやむなく選んだ家族葬。様々な家族葬があるだろう。

 私は近い将来、「いいじゃん。地味なジャージで」の家族葬の時代が来ることを確信する。その先、「いいじゃん。焼くだけで」との境界線は、もう紙一重に感じる。

 故人を偲ぶ列が絶えない盛大な葬儀も、ジャージ家族葬も、私は否定しない。

 私の小さな望みは、故人に思いを致し、厳粛に過ごすしばしの時間を大事にしたいということだけだ。

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