参加する側の「?」も発見した。"家族"つまり"来るのは身内だけ"という意識から、これまでの葬儀とは異なるシーンが展開された。

 まず服装。パリッとした喪服ではなく、黒ならとりあえず何でもいいだろう的な、アイロンなどかかっていない普段着の黒のよれよれパンツで来る。その場が"式"だと思えば、それが他人の眼もある斎場なら、最低限のマナーとして喪服を着ていた人が、身内だけ意識から正装という概念を崩す。

 また、子連れの多さ。いわゆる通常の葬儀では、厳粛な式の間、静かにしているのが難しい幼い子供たちは連れていかないケースが多いのだろう。斎場で大勢の子供たちが所狭しと走り回るような光景をあまり見た記憶がない。

 だが、家族葬だ。気を使う必要はないのだから、子供をみんな連れて行こう、となる。そうして各家族の子供たちが出会うと斎場の親族待合室は保育園化する。家族葬専門の業者が仕切る待合室がいくつも並ぶロビーでは、子供たちが走り回り、はしゃぐ声が響く。

これは骨です

 焼き場ではちょっとした議論が噴出した。あまりの子供たちの明るい騒ぎ様に、ある親族が提言した。

 「火葬場のお骨拾いの時は、子供の参加はマナーとして避けるべきではないか」

 諸々意見が出た末の結論は

 「それぞれの親に判断を委ねる」

 

 結果、それぞれの親が出した答えは、同じだった。

 「子供の教育にもなるからお骨拾いの場にも参加させる」