すっぱり卒業

 そして、その理由をこう言った。

 「不景気やねんなぁ。高津神社は、昔から宝くじが当たる神社で落語でも有名で、不景気になると皆、宝くじ当てたさに長蛇の列ができるねん。私、学生時代からこの神社の巫女をバイトでやってきたから、よーく知ってるねん。景気悪いでぇ」

 私の地元では人が減り、神社も正月から閉じた。一方、宝くじの神社は長蛇の列。そして、正月の"幸せな光景"とされる家族ごっこは、私を筆頭として、次はおそらく姪、そして、孫の中でも女の子たちの将来の反乱が予測できる絶滅危惧光景としてある。

 もう姪の反乱は始まっている。

 私は気分のいいスタートが切れた。毎年、ぐずぐずと迷い、家族とは何かと答えのでない迷路にはまっていた大晦日から、すっぱり卒業できた。私に正月はいらない。あるのは、新年のスタートがあるのみだ。家族ごっこは、好きな人がやればいい。

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私はこうしてストーカーに殺されずにすんだ
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