現代アートフェスティバル「かけがわ茶エンナーレ」の会場の一つとなり、茶会が催された掛川城。(写真:PIXTA)

現代アートと茶会を組み合わせた、地域活性化イベント

 先だって、静岡県掛川市で行われた現代アートフェスティバル「かけがわ茶エンナーレ」に行ってきた。

 掛川では、地元の現代美術研究会のみなさんが中心になり、「現代アート茶会」というシリーズが約10年続いている。これは、元々、茶どころであり茶道の文化も根付いている掛川の特徴を活かし、現代アートと茶会を組み合わせて、地域活性化を図ろうというのが基本コンセプト。毎年、現代アートの作家に依頼して茶道具を制作してもらい、掛川城二の丸茶室などで茶会を催す、というものだ。

 私が以前うかがったのは、現代アートの茶道具が7年分揃い、それらをすべて使って、夜咄(よばなし)の茶事をするという会だったが、道具を作った作家さんたちも参加し、なかなか素敵な催しだった。

 こういった試みの継続があった上で、今回掛川地域の広い範囲で現代アートの展示やイベントを行う「茶エンナーレ」が行われたわけだ。

長く続けること、そして美術館の「ハコ」を飛び出すこと

 残念ながら、掛川市内6エリアに展開されるすべての作品を見る時間はなく、お城を中心とする「まちなかエリア」を駆け足で拝見しただけだが、これはいいなあと思える作品にいくつも出会えた。

 掛川市役所の吹き抜けのようになった部分に展示された椿昇さんの巨大なバルーン。明治時代の建築である大日本報徳社大講堂を、独特の空間に変えてしまう笛田亜希さんの動物シリーズの絵やインスタレーション。二の丸美術館で見た大庭大介さんの見る角度によって趣きを複雑に変化させる絵画、などだ。あくまで私個人の好みでしかないが、自分自身のどこか奥深いところを揺さぶってくれる作品だった。