自分と同世代、そして前後世代くらいを見ていて、「ほとんどの子供は、どうしてもむし歯になってしまうもの」と思い込んできたのだが、これが今では、まったくずれた見方になっている。

 学校での歯科検診、フッ素の塗布、歯磨き指導など、地道な活動の継続が数十年の間に、大きな変化をもたらしたのだろう。ゆっくり、しかし着実に世の中は変わっている。歯科医の方々や学校保健に関わっている方々からすれば当然なのだろうが、恥ずかしながら、私は変化に気づいていなかった。

むし歯の問題を抱えている小中学生は、ひと昔前に比べて劇的に減った。(写真:PIXTA)

「入れ歯」を使う高齢者のイメージはもう古いかも?

 ついで、と言ってはなんだが、シニアの歯の事情も大きく変わってきているようだ。下に掲載した図2は、65歳以上の方々の中で、入れ歯等ではなく、自分の歯が20本以上残っている方の割合が、1993年、1999年、2005年、2011年、そして2016年と、5~6年ごとにどう変化してきたかを示したグラフだ(厚生労働省:平成28年歯科疾患実態調査より)。

出所: 厚生労働省 平成28年 歯科疾患実態調査

 一目瞭然だが、自分の歯が20本以上残っている人の割合は、どんどん伸びている。80歳になっても、自分の歯を20本以上残そう、それが健康な老後につながる、という「8020(ハチマルニイマル)運動」というのがあるが、今では、80歳~84歳の方々のうち、44%もが8020を達成している。1993年には、それが、11.7%に過ぎなかったのだから、随分良くなったものだと思う。