「喫茶店」にインスピレーションを受けたBlue Bottle Coffee

 たとえば、米国発のサードウェーブコーヒーの旗手として大流行のBlue Bottle Coffee。今回の中でも特に面白かったのが同社の経営者が語ってくれたストーリーなのだが、元々音楽家だった創業者がもっとも強いインスピレーションを受け、いまだに大好きなのが、日本の昔からの「喫茶店」だという。

 特に、渋谷の裏通りにある「茶亭 羽當」がいかに好きか、というあたり、日本の(少しこだわりの強い領域での)生活文化は、こちらの想像以上に好きだと思ってくれる海外の人がいるのだな、と感じ入った。

 ちなみに、清澄白河という東京中心部から離れた場所にBlue Bottle Coffeeの1号店を作ったとき、「12名採用しようとしたら、700名が履歴書持参(ネットで送付ではなくです)で並んでくれたのには、泣けた」という話も聞かせてもらった。

 元々は日本にも存在したコーヒー文化を、一度米国のフィルターを通し、すみずみまで品質とデザインにこだわる形でパッケージし直すと、日本国内にも数多くの価値観共有者がいるということだろう。

 これも、一般的なJVとかではない「組み方」について、考えさせられる話だった。

 この手の集まりは、一回だけでは本当のネットワーク構築にならないのは重々承知しているので、今後長く続くジャーニーになるだろう。好むと好まざるに関わらず、日本と米国の組み合わせで世界に通じる価値を作っていくというのが、我々にとっての生き方の重要な一オプションだと思うので、多くの方々が同様のネットワーク構築をしてくださることを祈っている。