さて、この「地元愛」「従来型経済成長への疑義」「相対的貧困への怒りと将来不安」といった「思い・エトス」。前述したように、これらの背景となる課題に対して何をなすべきか、というwhat論(これはこれで大事だが…)にとどまらず、この「思い・エトス」を何らかの軸に結集し、これまで数多のwhat論の実行を阻んできた「慣性」や「変化への抵抗」を打ち破るhow論が必要だ。

 幕末・維新期の場合、当初の攘夷論、途中からの開国・富国強兵論に当たるのが、いま新しく作り上げるべき「何らかの軸」であり、維新遂行に導いた下級武士を中心とした「門閥制度への不満」が、今回述べてきた3つの「思い・エトス」に当たる。

 これを総合したhow論について、いくつもの案、そしてそれを引っ張る具体的な運動が競いあう状況になってこそ、平成から次の元号に至る時期の変革が始まるのだと思う。

地域経営の自由化運動

 さて、あくまで、叩き台の一つだが、そのhow論の軸として、「地域経営の自由化運動」という考え方はあるのではなかろうかと考えている。「外交・安全保障」を主業とする中央政府と、「地域ごとの産業政策、豊かさの作り方戦略」を立案・実行し、その実行のために相当程度の税制の自由度を有する地域政府。この状態に向けて、今の制度をゼロベースで作り変える。

 「地元愛」をベースにし、従来の中央主導の政策立案・実行のあり方に対して異議を唱える。そして、地域と個々人の豊かさを再構築するという旗印で、地に足のついた行動を通じて、「新しい経済のあり方」を走りながら作り上げていく。見方によっては、地方の反乱かもしれないが、こういった総合的な運動を進めていく、というやり方だ。

 乱暴な意見であることを承知で、将来不安を減らし、多様な生き方を許容しながら国として活力を持ち続けるために、スタートポイントを提示してみた。さて、皆さんはどうお考えだろうか。

まずは会員登録(無料)

有料会員限定記事を月3本まで閲覧できるなど、
有料会員の一部サービスを利用できます。

※こちらのページで日経ビジネス電子版の「有料会員」と「登録会員(無料)」の違いも紹介しています。

※有料登録手続きをしない限り、無料で一部サービスを利用し続けられます。