海外の友人や仕事仲間には、「相当変わっているな」という人が少なくない。社会が“普通”であることを強いる度合いが、日本社会よりも低いのだろう。(画像:Ikon-Images/アフロ)

「異才活用」を本気でやる

 日本の企業、特に伝統的な大企業では、時代の変化とのずれが目立つ人事制度改革の議論が盛んだし、少しずつ変化のきざしも見えている。ただ、本当に効果ある改革を行おうとするならば、大変困難だが実行すべき二つの山を越えなければならない。「異才活用」を本気でやること、そして、「働く意味」を再設定することだ。

 人材の多様性を高め、異質同士のぶつかり合いの中で、イノベーションを起こす。この観点からの「異才活用」に反対する向きは少ない。しかし、これを本当に実行するのは、容易ではない。我々自身が無意識に培ってきた組織文化という強敵を相手にしなければならないからだ。

 『発達障害』(岩波明著、文春新書)、『異才発見!――枠を飛び出す子どもたち』(伊藤史織著、岩波新書)という二冊の書籍がある。ここのところ、NHKをはじめさまざまなメディアでも取り上げられているASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如・多動症)、アスペルガー症候群などの発達障害。これらについて、最新の知見はどのようなものか、少し勉強してみよう、というくらいの気持ちで、この二冊を読み始めた。