そのためには、ハード面で言えば、ハコモノへの融資をしてきた銀行が債権処理をしやすくするような金融監督行政の方向づけ、あるいは退出時に税メリットがあるような仕組みの時限的な導入(たとえば、2020年までを集中新陳代謝期間として位置付ける、など)が必要だろう。

 ソフト面でも、さまざまな新しいサービスを行おうとする新規参入者が、既存の事業者に邪魔されない仕掛け(既得権維持装置となっている一部の観光協会や組合の権限を低下させる政策運用、など)や、規制緩和(通訳ガイドのあり方見直し、など)が不可欠だと思う。

事業・産業の新陳代謝促進策に期待

 さて、この新陳代謝。当然ながら、観光業の建築物の入れ替え、あるいは新規参入の促進、ということだけに留まらない話だ。

 第4次産業革命に向けて、ということで、大企業が事業構造を変換しやすくなるように、事業のカーブアウト(企業のなかから特定事業を切り出して、社外の別組織として独立させる)が税制上不利にならないような仕組みが、今般導入されるのは、大きな意味での事業・産業の新陳代謝促進策として、評価に値する。

 ただ、農林水産業、医療などの規制業種をはじめとして、特に中小事業者保護の名目で新陳代謝が進みにくいような有形無形の縛りがある分野は数多い。

 日本における開業率の低さが問題視され、ベンチャー支援が声高に語られるようになって久しい。本当は、入る方を増やしたいのならば、出る方も増やすことが必要なはず。この両面をあわせた政策、特に地方自治体レベルでの実行担保と金融監督行政からの支援。これが、成長戦略の次のメインテーマになっても良いように考えているのだが、いかがだろうか。