リスクを織り込んで備えることは経営の責任。(画像:PIXTA)

 世の中が、いろいろときな臭い。大きくとらえれば、米国一極集中から多極化へのシフトが始まり、第二次大戦後、永らく続いてきた世界の安全保障の枠組みが再構築期に入ったということだろう。

 グローバルに事業を展開する企業にとっては、多国間での自由貿易体制という、これまた着実に強化されてきた枠組みも大きく揺らいでいて、さまざまなリスク要因が顕在化してきている。

 今年1月のコラム(2017年1月16日配信記事「『エレファントカーブ』がトランプ現象を生んだ」)にも書いたように、これらは中長期的な潮流に沿ったものだ。単に米国に従来にないタイプの大統領が生まれた、というだけではなく、残念ながら「起こるべきことが起こ」り始めていると考えた方がよいだろう。

リスクを織り込んで備える

 言いかえれば、経営者に突き付けられているのは、いくつものリスクイベントが起こり易い時代環境になり、それを前提に経営をせざるを得ない、ということだ。

 さて、こういった地政学リスク、政治リスクは、自然災害などの「ほとんど読めないリスク」とは異なる。

 たとえばある地域で「30年以内にマグニチュードxx以上の地震が発生する確率は、yy%」というような推定がなされているとしよう。この場合でも、当該地域で、3割以上の確率で、1年以内に大きな地震が来るかどうか。こういう問いには、現在の科学技術ではほとんど有益な答えがでない。したがって、防災・減災の手段を考え、いつか来るだろう地震に対して、できる限りの備えをしておく、というのが正しい対応策だろう。