恵まれない子供たちや難民への支援は低調

 日本は、世界の0.25%に過ぎない国土面積ながら、世界の7%、108の活火山を有し、マグニチュード6以上の地震にいたっては、世界の20%以上が発生する地域だ。これに加えて、頻繁に台風の被害も受ける。こういったことから、自然災害はひとごとではなく、「何かあったら、支え合う」という心情が深く根付いているのだろう。

 逆説的に言うと、大きな自然災害の際の寄付には非常に積極的だが、恵まれない子供たち、あるいは難民への支援、といった類の自然災害以外への定常的な寄付に対してはさほどでもない、ということになる。

 自然災害の際の相互扶助の感覚、税制の影響、宗教観、政府による分配策への信頼感、など、寄付が相対的に低調な理由はさまざまだろう。

クラウドファンディングはかなり浸透した

 ただ、体感的には少しずつ変化が見えるような気がしている。たとえば、昨今のクラウドファンディングの台頭は、目をみはるものがある。友人たちが関わっているNPOの中でも、クラウドファンディングを活用してサポートを受ける例が複数出てきている。

 一定の信頼感を持てるプラットフォーム(クラウドファンディングのサイト)上で、自分自身の価値観にフィットするプロジェクトを発見できれば、身銭を切って、何か・誰かをサポートしよう、と考える層がしっかりと存在することが明らかに。これを受けて、クラウドファンディングによる寄付機会の提供と周知がさらに増える、という好循環が始まっているようだ。

ふるさと納税も「貢献したい」思いのあらわれか

 ふるさと納税も、変化のあらわれかもしれない。返礼品の豪華さ競争に対する批判はもっともだが、入り易い入り口とうまくセットしたインセンティブさえあれば、多くの国民の心の中に潜在的にある「何かに貢献したい」という思いが顕在化する余地は大きいことを示している。こう肯定的にとらえてもよいのではないだろうか。

 広義の寄付行為といってもよいボランティアに携わる方々も、増えている。これも日本ファンドレイジング協会の推計だが、2014年に何らかのボランティア活動に従事した人の数は、3,000万人を超えている。これも最近関わらせていただくようになったドナルド・マクドナルド・ハウスという病気の子供たちの家族が滞在できる施設は、全国12か所にあるのだが、そのすべてが地元のボランティアの方々を中心に運営されていて、本当に頭が下がる。

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