
方向が正しく進捗確認の仕組みがあれば、前に進む
複数年にわたってメンバーとして参加している政府の会議がある。忖度(そんたく)問題等、霞が関への信頼が揺らぐ話が矢継ぎ早に出ているが、この会議で感じるのは、「方向付けが正しく、かつ進捗を確認するメカニズムがあれば、日本の官僚組織は、簡単ではない話も、(少しずつであっても)きちんと前に進めていく」という当たり前のこと。
一方、中央政府で作られた政策を実行し、実際に効果をあげていくには、多くの場合、霞が関の縦割りと同等以上に、「地方自治体をはじめとする実行主体が”本当に”動くようにする」という大きなチャレンジがある、ということも強く感じる。
この会議は、「未来投資会議構造改革徹底推進会合」という長い名称で、内閣官房が事務局を務める。(構造改革を含む)成長戦略の実行と結果獲得を加速化する、という目的で設けられた、民間も交えての議論の場だ。いくつかの分野に分かれて実施されていて、私自身は地域経済、中小企業(の生産性)、観光・スポーツ、といった分野を扱う会議に出席している。
中身は多岐にわたるのだが、PDCA (Plan-Do-Check-Act)的な政策実行の進捗チェック、追加実施すべき事柄の洗い出し、あるいは、民間やNPO、地方自治体などの政策実行者からの現状報告が行われ、自由討議となる。ガチガチにシナリオができた審議会、というたてつけではなく、相当自由に議論ができるのも、一つの特徴だ。(ただし、アジェンダ設定は事務局が中心となって行われる。)ちなみに、会議の内容は、配布資料、議事録ともネットで公開されている。
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