海外のキュレーターや研究者を継続的に招く

 そのためには、

 ・海外美術館のキュレーター、海外大学のアジア文化研究者等を、定期的、継続的に日本に招くプログラム作り

 ・「ストーリー」「ものさし」の話と同様に、高いレベルの批評的文化を国内で育成するための研究者助成

 が必要だ。

海外のキュレーターや研究者を日本に定期的・継続的に招くことも必要だ。(写真:hypnocreative/123RF)※写真はイメージです

 さらに、国内外の富裕層にとっては、超高額の旅行消費やブランド消費と、美術品等の文化消費が同列の消費機会だということを念頭におきつつ、ストックは消費としての意味と同時に「資産」としての意味を持つことに、もっとフォーカスした施策が重要となる。

 具体的には、国内富裕層向けには、相続税上の扱いの明確化(とできれば優遇税制)が重要だろう。海外の富裕層にとっては、購入・保管・修復・納税を含む管理・売却、のすべてのステップが容易になることが極めて大事なので、グローバルなオークションプレーヤー、プライベートバンカーと協力し、国内にそういったプラットフォーム事業者を育成することがカギとなるのではなかろうか。

 縷々申し上げてきたが、個人的には、「日本の文化ストックは、本来あるべき価値評価を与えられていない」ということに対して、本当に口惜しい。文化芸術基本法ができ、クールジャパンについても議員立法の動きがあると聞く。この機会に、ぜひ本来の価値を取り戻し、それが日本の経済にもプラスになるような市場活動となることを強く願っている次第だ。