初期のコンセプトを「どうやって作るか」

 さらに重要なのは、初期のコンセプトを「どうやって作るか」の手法とスキルが、組織の中でまったく言語化されておらず、「センスの良い人がやれば、良いものができる」という共通認識だけが存在する企業の多さだ。確かに、この柔らかい部分はもっとも難しいステップだし、一部の人材の暗黙知に支えられがちだ。

 しかし、本来は──
・ユーザーの潜在ニーズを発掘し満たす、あるいは競合と圧倒的な差をつける形で顕在ニーズに応える
 という当たり前のことを達成するために、
・技術進化と上市スピードや、顧客が受容可能な価格と提供可能なコスト、といった「簡単には両立できない部分」を見つけ出し、そのブレークスルー策を集中的に幅だしし、より良い案を選択する
・だらだらと検討期間を引き延ばさず、少しでも成功確率の高まる案を作るために、複数部門の視点での擦り合わせ、および、顧客視点でのチェックと案の再修正を繰り返せる工夫を行う
 といったサブステップが本質的な前工程の中核作業であることは、明らかだ。

 こう割り切って、その精度と能力を高めるために、何を言語化し、共通化するか。どうしてもスター人材に依存する部分は、その人材がもっとも重要なプロジェクトだけに集中できるようにどう組織全体の資源配分を見直すか。さらには、自社だけで足りない知恵とノウハウを、どう社外から持ち込むか。

 こういうあたりをつめていき、いつもその段階での標準化された形にしていけば、明らかにイノベーションの確率は高まっていくはずだと考える。

 お正月早々、生硬な話をしてしまったが、商品やサービス開発のもっとも初期の前工程、ここの改革に手をつけてみてはいかがだろうか。この改革に早く着手すればするほど、通常の商品・サービス企画・開発だけではなく、これからもっとも必要となるビジネスモデルイノベーションにも、とてもプラスになるに違いないのだから。