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 ちなみに、モデルを作るときに、心がけているのは、異なった領域の専門家の方々の知見をできる限り統合したモデルにする、ということ。経済学、社会学、歴史学、政治学といった人文科学。コンピューターサイエンス、医学・生理学、あるいはマテリアルサイエンス、といった自然科学と工学分野。

 工業化およびそれを支える資本主義と民主主義という仕組みをどう作り変えるか、という大きな問いの答えに一歩でも近づくためには、近代以降、分化しながら専門性を高めてきた分野を越境して、モノを見ていかねばならないのではないか、と考えている。昨今のリベラルアーツばやりも、アートやデザイン思考とSTEMの組み合わせが求められていることも、同じ認識からではないだろうか。

 なんだか偉そうなことを書き連ねてしまった。もちろんのこと、私が読めなかったことは数多い。トランプ当選も、BREXITも、専門家の友人たちの話をもとに、30%の確率だと思いつつ、その後の展開も含めて、きちんとしたシナリオを作ることを怠ってしまった。

未来に「思い」をどう乗せていくか

 ただ、読めることと読めないことをしゅん別しつつ、未来の環境を想定し、そこに「思い」をどう乗せていくか、を諦めない、という一種の戦闘意欲は失わないでいようと思う。また、京都大学や早稲田大学での客員教授の仕事の中でも、自分が身につけたことと「思い」を若い人たちに伝えることは続けていきたいと思っている。

 さて、最後になったが、少しだけ、今年の予想めいたことを。私が、2019年に起こりそうだと思っているのは、気候変動の重要性がようやく多くの人に理解される元年になることだ。当たるもはっけ、当たらぬはっけだが、さて、どうなりますやら。

 みなさま、本当に長期間ありがとうございました。また、どこかで楽しみながら読んでいただけるようなものを書きたいと思っていますので、どうかよろしくお願い申し上げます。