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使えるものは、使わないと

「いい学生を採るためにも、女性が働きやすい職場にしなきゃ」
「会社として、女性が活躍できる場だというアピールが必要」
「とにかくリーダーを育てないと。男とか女とか言ってる場合じゃない」
「男性は何でも効率に走りがち。多様な視点が欲しい」
……etc etc.

 講演会で主催者や参加者と接していると、現場の上司たちが「数合わせではなく、マジで女性に頑張ってもらわないと……」と骨身にしみて感じていると確信する。

 また、「女性」を主語にしたものだけではなく、「男性管理職の意識を変えたい」「男性役員の意識改革をしたい」といったリクエストを主催者からいただいたり、「講演会のあとのパネルディスカッションのファシリテーターもお願いしたい。女性社員や、女性社員を部下に持つ上司をパネラーにしたい」といった具合に、「みんなの問題」として取り組む企業がどんどん増えてきたのである。

 それぞれ取り組み方は違うけれど、「使えるリソースをしっかり使わないとやばいし、もったいない」ことに気づいた現場の本気度に、私はかなり感動している。

 そして、今年、女性社員を育てることに有形無形の投資をするか否かで、企業の寿命が変わると予想しているのである。

 「使えるものは使え」とは言葉は悪いが、これまで繰り返し言い続けてきた通り、2020年に大人(20歳以上)の10人に8人が40代以上で、10人に6人を50代以上が占める。女性だけだと、50歳以上の人口(3248万8000人)が0~49歳人口(3193万7000人)を追い抜く。

 「母数」がどうだだの、「女だから」だの、「ロールモデルが」だの言ってる場合じゃない。使えるものは使わないことには、組織は立ち行かなくなっていくのである。

 そして、おそらく「現場の人」たちは薄々気づいているだろうけど、「女性」という存在はそれだけでダイバーシティだ。つまり、「ダイバーシティ=女性活用」ではないが、女性には「女性」という言葉では一括りにできない「多様性」があるため、女性の活用を進めれば自然とダイバーシティの実現に近づく。