このコラムは対談の2回目だが、1回目で部下を潰すクラッシャー上司は、「甘えによる共感性の欠如がある」とする松崎先生に、「共感とは何か?」と私は問うた。


河合:先生の言う共感性というのはどういう定義ですか?

松崎:人の心の痛みが分かる。

河合:先生、生意気なこと言いますけど、私、それってムリだと思うんです。

(中略)

 もちろん相手の気持ちに立つ意識を持つことは大切だと思うんですね。でも、それって実は傲慢な考えで、できることといったら横に立つことぐらいなんです。

松崎:なるほど。確かにそうかもしれませんね。

(中略)

 共感とは何かと問われれば、「人の心の痛みが分かる」と答えますが、共感というのは非常に難しい。河合さんがおっしゃるように横に立つことなんですけど、僕の中のカウンセリングの精神療法では寄り添うことですね。何かこの辺にいい感じの守護霊みたいなものがいる感じとよく言うんですよ。変な背後霊じゃなくて。


 で、これを受けた形で先の2回目の対談は進み、松崎先生はこう話した。

 「例えば、部下に『ちょっと相談があるんですけど』とオファーされたら、そこで手帳を開いて予定を確認して、具体的に日時を決めなきゃ共感にならない」。
 3回目の対談では、「挨拶も相手に伝わるように大きな声で、グッドモーニングと言わないとダメ。挨拶がちゃんと伝われば共感が生まれる」と、米国時代の話をしてくださった。

まだ見ぬ景色を見に行こう

 そして、「共感は単なるスキルだと割り切ればいい。とにかく行動すれば、それが共感につながっていく」と教えてくれたのだ。

 そういえば先日、セミナーで挨拶の大切さを話したあとで、「河合さんに言われたとおりに、挨拶をルーティンにしました。そのとき相手の目を見て、ニッコリ笑って挨拶することにしたんです。そしたら、それだけで上司や部下と話しやすくなった。たいしたことやっていないのに、案外小さなことから始めればいいんですね」と、メールをくれた方もいた。

 入り口を作るだけで、社会に蔓延するギスギス感は少しだけマシになるかも……ね。

 なぁ~んて具合にアレコレ2017年を振り返ると、2018年の課題も見えてきたように思います。

 「社会の窓」は見る角度をちょっとだけ変えるだけで、風景が変わる。私も今まで以上にさまざまな角度から見つめ、自分なりの視点で考えていきますが、私には見えない景色をご教示いただければ幸いです。

 今年もたくさんの方に読んでいただき、コメントしていただき、さらにはインタビューにもたくさんの方がご協力くださいました。
 改めて……ありがとうございました。では、よいお年をお迎えくださいませ! 

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