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超高齢化時代を生き抜くために大切なこと

 さて、そんな中で、階層だの雇用形態だの関係なく、多くの人たちと共感できる話題があった。「親の介護」だ。声を上げるのがタブーとされてきた問題を取り上げたコラム(「介護職員への暴行、杖を股に当てるセクハラも」3月20日公開 コメント数78件)は、大きな反響があった。

 ランキングは24位だったが、驚いたのが読者の皆さんの評価。「参考になった」が97%で、「是非読むべき」も97%。「参考にならなかった」「どちらでもいい」は0%。皆無だった。日経ビジネスオンラインのコラムで、これだけの支持を得るコラムは極めて希だそうで、当時の担当編集は「こんなの見たことがない」と驚愕していた。

 78件のコメントには、当事者(介護や看護の職に就いている人や関係者)が書いてくださったものや、自分の親のことを憂える人も多かった。中には「解決策をなぜ自分から提示しない」「何に忖度してるのか歯切れが悪い」といったコメントもあった。が、考えれば考えるほど難しい問題で、すぐに答が出せる問題ではない。

 様々な角度から「いい方向」に、「少しでも笑顔になれる人が増えるよう」に対策をひとつひとつ施すのと同時に、「自分たちの問題」として考え続けることが、唯一の打開策だと思っている。そういった意味では、政府が実態調査に乗りだすことを決めたのは大きな一歩だ(関連記事「介護職員のハラスメント被害、国が実態調査へ」日本経済新聞社)。

 親の変化は突然起きる。私の母も、春先に急に具合が悪くなり緊急入院した。幸い悪い箇所はなかったが、元気なうちに私の近くに来たいと言い始め、数カ月前から私の自宅から徒歩2分のマンションで暮らしている。

 78歳の母と日常的に接すると、老いるということがどういうことなのか?を痛いほど突きつけられる。老いることで生じるさまざまな問題が、周りの方たちとの関係に及ぶ影響を考えざるをえない事態も増えたし、自分の仕事や生活への影響や、そこから生じる悩みも繰り返される。

 人が人である以上、正論だけでものごとは進むわけではない。
 人には感情がある。感情の生き物である。
 誰もが老いるし、誰もが「加害者」にも「被害者」にもなる可能性がある。

 この超高齢化時代を生き抜くには、持てるものが「うしろめたさ」という感情と、すべての人が「他者に共感する気持ち」を持つことが肝心なのではないか。

 私たちの祖先はそういった感情を大切にすることで、生き延びてきた。

 なんだか書いているうちに人類の祖先にまで行きつき、壮大な話になってしまったけど、「そっか、これが平成最後の年末か」なんてことを思うと、急に自分が「昔の人」になってしまうような気がし、自分勝手なわがまま女が、

「残りの時間は人にやさしく生きよう!たった1人でいいから『あなたに救われた。ありがとう』って言ってもらえるような言葉を綴ろう」

などと、思うようになるのだから不思議だ。

 そうはいってもなかなか上手く伝えきれないコラムが繰り返され、読んだ方に嫌な思いをさせてしまったり、怒らせたり、むかつかせたり、イライラさせることもあるかもしれません。

 それでも、この先も末長くお付き合いいただければ嬉しく思います。

 2018年、心よりありがとうございました! 

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