「だったら最初から勘違いさせる行動は慎めばいい」と第三者は言うけど、当時は30代。20歳以上年上の男性、しかも“偉い人”に「ノー」とは言えなかった。なので、誰に言うこともできず、必死で忘れようと記憶の奥底に押し込み、「たいしたことじゃない。ちゃんとあしらえたんだから」と自分を納得させた。

 40過ぎてからは「なんでアンタの性的な話を聞かなきゃいけなんだよ」といった場面に出くわすことが増え、今思い返すだけで、キモい。マジでキモい。

 とにもかくにも女性たちの話や私の個人的な経験から感じるのは、「オジさんたちのコミュニケーション力」の低さだ(すみません)。

 職場では、パワハラ、セクハラ、モラハラ、など、ハラハラだらけで部下とのコミュニケーションにビビっているオジさんが、自分のコンフォートゾーンである「飲み屋」に踏み入れた途端、職場でクローズしていたコミュニケーションの扉を全開する。が、何を話していいのかわからない。

 そこで、つい「彼氏はいるのか?」というセクハラになりかねない発言をしてしまったり、下品なネタで笑いを取ろうとしてしまったり、カワイイ女性部下が素直に自分の話を聞いてくれると、「ん? ひょっとして……」などと“勘違い”してしまったり…。

結局、女子への免疫不足じゃない?

 要するに「女性社員」への免疫の低さが、セクハラにつながっているように思えてならないのである。

 中にはしょーもないスケベジジイもいるのかもしれないけど、「そ、そんなつもりなかったんだけど……」とする男性側の言い分と、「ありえない」と口を揃える女性側の相談から考察すると、飲み会のセクハラの原因はオジさんの「コミュニケーション力」という仮説に行き着くのである(女性の方も同じだろ! とここで怒らないでくださいね。今回はオジサン側の話、ですので)。

 実は先の海外でも話題になった“Shocking Number”が明らかになった調査(「妊娠等を理由とする不利益取扱い及びセクシュアルハラスメントに関する実態調査結果」)には、それを裏付ける結果が報告されている。

 まず、セクハラの態様のトップ3は、

  1. 容姿や年齢、身体的特徴について話題にされた
  2. 不必要に身体を触られた
  3. 性的な話や質問をされた(性生活を聞かれた、卑猥な冗談を聞かされた)

 で、これらのセクハラの経験率と職場環境との関連を調べたところ……、

【セクハラ経験者が多い職場トップ3】(多かった順)

  • 職場の特定の人や係に仕事量が集中している
  • 職場の特定の人しかできない業務が多い
  • 恒常的に残業や休日出勤が多い

【セクハラ経験者が少ない職場トップ3】(少なかった順)

  • 職場にはお互いを助け合おうという風土がある
  • 職場は意見が言いやすく風通しがいい
  • 職場のリーダーは社員間の業務分担等を良くマネジメントしている
(※「第2-3-2 表 職場の状況別セクシュアルハラスメント経験率(個人調査)」より。表現は調査から一部アレンジしています)

 ご覧の通り、常日頃からコミュニケーションが取れている職場では、セクハラが少ないことがわかったのである。
 一方、互いにサポートする環境が希薄な“孤立した職場”では、セクハラが多い。