もちろん「しんどい? じゃ、休め!」と休職のハードルを下げることに異論はない。
 それはそれでとても大切なことだし、復職を受け入れる体制を整えるのも大切なことだ。

 でも、やはり腑に落ちないのです。

 人手不足といいながらも、「めんどくさいヤツはいらない」と切り捨て、どれだけ働いても壊れない、どこまでも会社の要求に応えられる“マッチョな人”を追い求めているんじゃないか、と。いないよ、そんな人。

 「カネを生み出さない人」、「普通より手間がかかる人=ダメな人」とレッテルを貼り、暗黙裡に排除している。

 そして、“そういう人”を、都合よく現場に押し付けることで、現場も疲弊する。

 「メンタル不調者の休職率は、2年程度のラグを伴って売上高利益率に負の影響を与える」という研究結果は、こういった悪循環が引き金になっているのだ。

“押し付けられる”立場にもしなったら

 ちょっとばかり話はズレるが、新聞のお悩みコーナーに寄せられた投稿に対するマツコ・デラックスさんのコメントが秀逸だった。

 「どう見ても仮病の同僚がうつ病と診断されて休職になったせいで、職場の雰囲気が最悪になっている」という相談を、あるテレビ番組で取り上げ、マツコさんはこう言ったのだ。

 「今って、働かせ方に世間の目が厳しくなってるから、企業もこういう人もいるとカウントに入れた上で採用しなきゃいけない時代になってる。『彼は彼、僕は健康でちゃんと働けるから頑張って出世しよう』っていう風に頭切り替えないと、生きていけないと思う。これからは」――。

 ふむ…。

 メンタルを低下させた人のホントの体調は本人にしかわからないし、仮病に“見える”だけで、当人は苦しんでいる場合がほとんどだし、よほど重度のウツにならない限り、一般的にイメージされる“うつ状態”を他者に見せることはない。

 でも、マツコさんのいう通りだと思う。

 強いていえば、「彼は彼。僕は健康でちゃんと働けるから頑張って出世しよう」ではなく、「彼は彼。僕はたまたま今は健康でちゃんと働けてるだけ」と切り替えて欲しい。

 そして、もし、復職してくる人を“押し付けられる”ことになったら、以下のことを頭にいれておいてください。