やっぱり増えてる。

 世間ではあんまり騒がれないのが不思議なくらい、どこの職場にも増えている。
 うつ…。いや、正確には“うつ傾向”。数か月休職し、復職を目指す人たちである。

 「1年近く休職していた人を、どうやって受け入れればいいのか。メンタルで休んでた人の復職は、他の部署でも上手くいっていないので……」

 先日も40代のチームリーダーの女性に相談を受けた。

 “女性の方がいいだろう”という、根拠なき上からの方針で、メンタル不調だった社員を押し付けられた、というのである。

 「押し付ける」という言葉は、復帰する社員を慮れば使うべき言葉ではないかもしれない。
 本当に申し訳ない。
 だが、彼女の話を聞くと使わずにいられなかった。

 というわけで今回は「復職って…」という至極曖昧なテーマで、アレコレ考えてみる。

復職者のケアを任された側の悩み

 「数年前に比べると会社が弱腰になったというか、完全武装してるといいますか。メンタルがヤバくなると、上司の判断ですぐに病欠扱いで休ませるようになったんです。
 明らかに嘘をついて休む人も皆無ではなく、不満を口にする人もいます。

 でも、『明日は我が身かもしれない』という危機感は私にもある。それに3、4日休んで復活する人も多いので、ちょっと休んで元気になるなら、それはそれでいいかなぁ、と個人的には思っていました。

 問題は病欠が長期にわたるケースです。
 以前、他の部署で3か月休職した人が復職したんですが、再び休職してしまったんです。

 リーダーは復職者にはムリをさせないという鉄則を守っていたんですけど、本人がもっと『できる』というので任せた。最初のうちは本人もヤル気をだして良かったそうです。ところが、次第にプレッシャーになっていったみたいで……。周りに暴言を吐いたり、パニクることもあって『周りがウツになる』とチーム内に不満がたまっていったそうです。

 うちの部署に復職する社員とは、2週間後の復職に備え、仕事の情報をメールで共有したりしているところです。

 チームメンバーとも、みんなで声を掛け合おうという雰囲気にはなっていますが……、正直、ものすごく不安です。復職してくる人は、それまで結構イケイケだった社員で、サポートされる人ではなかったんです。だから、余計不安で。年下の私が、彼とどうやって向き合っていけばいいのか。気が重いです。

 それと合点がいかないのが、“女性のほうがいいだろう”と上が考えていること。こういうときだけ押し付けられる。なんだかなぁ、って感じです。

 実は、会社は本気で復職させる気がないんじゃないか? と思ったりもするんです。

 すぐに休ませるのも、本人のためというより、会社が責任を負いたくないだけなんじゃない? と、これまではあまり考えたことがなかった、会社への不信感も募ってしまって。ホントどうしたらいいのでしょうか?」

 実は彼女と同じ質問は、これまでにも何度か受けた。

 大抵の場合、講演会などに呼ばれ、担当者とアレコレ内部事情を話す中でためらいがちに聞かれる。彼等はみな、心の奥底では「どこまでやればいいのか」と解せない感がありながらも、「それを口にしたら終わりだろ」と感情が割れ、葛藤していた。

 一方、メンタル不全に陥った人も、「負い目」を感じながらの復職である。