河合:私もどちらかというとそっちの方なんですけど(笑)。それでも不安はあります。今って、その誰にもわからない明日が、ホントにわからなくて、「いい明日がくる」って思えないことが不安なんじゃないかと。

宮内:複雑ですね(笑)。

河合:あ、すみません。何言ってるかわからないですね(笑)。つまり、明日、会社がつぶれてるかもしれないし、追い出し部屋に行かされるかもしれない。昔であれば、安泰だった“エリート”の賞味期限が切れてることに不安を覚える人が増えてるように思うんです。

宮内:社会全体に不安が漂っているのは、子供の頃から安全志向を強いられたまま、ずっと大きくなってきていることも理由のひとつかもしれませんね。だから、チャレンジを恐れる。

河合:先に言いましたけれど、不安の反対って安心だ、と考えますけど、ホントは前に進むことですよね。そういった意味では、チャレンジを恐れることが、実はまた不安を掻き立てる。

宮内:なるほど。それが河合さんの言う「勝ち組の下っ端でもいいからしがみついていたい」、という気持ちのことですか。

河合:はい。負け組には降りたくない、下流老人になりたくない。そんな気持ちがかき立てられるのが今じゃないかと思います。…でも、あの、ずっとお話を聞いていて思ったんですけど、宮内さんって何かにしがみつくとか、今のままの地位で居たいとかよりも、変化を好まれるみたいですね? この後もっともっと自分がどうなっていくのかを、楽しみにしているといいますか(笑)。

宮内:いやいや、ぼけ防止をやっているだけです(笑)。

65歳以上の会社をつくります

河合:この後何を目指しているのか、教えてくださいませんか。

宮内:めでたくも、まだ10年ぐらい生きられると思っておりますから、まず健康で生きなければいけないということと、やはり残りの人生、何か世の中の役に立つことを、小さなことでもいいからやってやろうと思って、少しずつ仕掛けをしているんです。

河合:少しずつ、何を?

宮内:いや、うまくいくかどうかは分からないですけどね。65歳以上中心の会社をつくってやろうと。

河合:うわぁ~~私、それ、ずっと望んでいることです!! 女性を活躍させる前に、オジさんを活躍させろ!ってずっと言ってるんです。今年の3月に森下仁丹が第四新卒の採用を始めたんですね。

宮内:第四新卒?

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