宮内:いや、実際によくできると思います。能力が高いんですよ。だいたい日本人の学生より勉強しています。それに相当やる気がある人じゃないと、日本の会社に応募なんてしませんから。
河合:日本の会社に応募する段階で、既に選別されているってことですね。
宮内:日本の大学はもっと勉強させないとだめです。世界から劣後しています、明らかに。
河合:今は企業サイドが、大学に勉強させるより、企業で使える人材にするための教育をしろっていいますよね。
宮内:大学でする勉強は、実社会の勉強もあると思うんです。例えば、長期休学をして、海外にいって世界を見る。行動してみて初めてわかることがありますから。私も数年前にモンゴルに行ったんですが…憧れの草原は、行ってみたら馬の糞だらけでやたらと臭かったですし(笑)。
河合:映像でみると果てしなく広がっていて、キレイだなぁ~って憧れますけど。そっか、臭いんですね(笑)。大学を出たあとにすぐに就職しないで、フラフラしたり、ボランティアしたり、もう1回大学に入ったり。あるいは、高校で就職して、勉強したいと思ったら大学に入るとか。そういう選択ができるようになるといいですよね。
宮内:そのためには、この官僚社会(対談「その1」参照、こちら)が変わらないとだめですね。「変える」と言ってもなかなか難しいですが、世の中が変わっていくことで、勝手に変革していくと思います。そのために少し先見性を持って企業運営をしていけば、人より面白いことができると思うんです、経営としては。
分からないことは、不安でもあり、楽しみでもある
河合:常に「変化」を前提としていて、本当にポジティブですね。宮内さんは、これまでのビジネスパーソン人生の中で、「もうだめだ」と思ったことってないんでしょうか。
宮内:僕ですか。一度もなかったと思います。
河合:い、一度もない?
宮内:ええ。
河合:折れそうになったことは。
宮内:全然ありません。
河合:でも、不安を感じることはありますよね。
宮内:不安ね。不安というものはどうなんでしょうね、明日のことを分かっている人は、世界中1人もいないんです。
河合:はい。
宮内:例えば「明日、株が上がる」ということが分かっていれば、躊躇なく全財産をつぎ込みますよね。でも、実際には2つに1つ、上がるか下がるかさえも分からないんです。明日のことは誰にも分からない。ですからそれが不安で、生きているのが嫌になるのか、分からないから面白いと思うか。僕は明日、面白いなと思っているんですよ。
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