技能実習生=低賃金労働者、になっている

 これらの結果から明白になったのは、「技能実習生=低賃金労働者」であり、「技能実習制度」はもはや不要だ。

 厚労省のHPによれば、
外国人技能実習制度は、我が国が先進国としての役割を果たしつつ国際社会との調和ある発展を図っていくため、技能、技術又は知識の開発途上国等への移転を図り、開発途上国等の経済発展を担う『人づくり』に協力することを目的としております
 とあるが、実習生が「日本」に協力してくれているのだよ、奴隷的な扱いをうけながら。

 そもそも「実習生」なのに「解雇」とか、「実習生」なのに「過労死」とか、まったくもって意味不明。16年度に事故や病気で亡くなった技能実習生・研修生は28人。脳・心疾患が8人で、全体の3割が「過労死」と考えられる(「国際研修協力機構」の報告書)。

 「特定技能1号」は技能実習生から移行することを基本形と想定しているが、どこが「開発途上国等の経済発展を担う『人づくり』」なのか。「出稼ぎ労働者」という実態にあった呼び名にすべきだし、「外国人労働者」ではなく、「アジア人労働者」とした方がいい。

 今回の調査結果で、個人的に興味深かったのが「非正規雇用」が多いことである。
 報告書に記されていた「外国人従業員の在留資格」から推測すると、大半は日系人の可能性が高い。日系人労働者の問題は20年以上前から指摘されているが、解決されていないことが確かめられたかっこうである。

 また、今後の外国人雇用について、「外国人かどうかは考慮しない」が4割もいることから、企業が欲しがっているのは「日本経済の底辺を支える労働力」であり、労働の冗長性を担保するための存在であることは明白である。

 さらに、少々拡大解釈かもしれないけど、「外国人雇用企業の方が非雇用企業に比べて正社員の賃金が高く、労働時間が短い傾向がある」という結果は、「底辺を支える労働力」とは、正社員が健康でいる役目も担っていると捉えることもできる。

 海外から労働力を集めた方が初期費用はかかるが、その費用が債務として労働者にふりかかっている間は拘束できる。だからして、「外国人労働者問題」ではなく、「奴隷労働者問題」。
 いや、「底辺労働者問題」とした方が、底辺に追いやられている日本人の労働者も救うことができる。これらは社会福祉政策とリンクさせて考えるべき問題だと思うのだ。

 実際、オランダやデンマークなどの福祉国家では、企業が要求する柔軟性のある雇用制度を実現する代わりに、その負担をパートタイム正社員という形で、企業も社会保障費を負担。企業から排出された失業者の再就職に必要な技能の習得を、国や社会が引き受けることで、冗長性問題は解決された。

 そのための「同一価値労働・同一賃金」であり、パートタイマーにもフルタイムにも、年金、保険などを同様に取り扱うようにしたのである。

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