「うちの会社、ブラックなんです」――。

 “働く人”たちからこういった発言を聞くことは、往々にしてある。

「長時間労働、ハンパないし~」
「『終了~』って課長の合図でタイムカード押して、『残業~』って合図で夜のお仕事…。ひどいよね」
「朝の朝礼で毎朝、一時間ずっと立ってろって。これパワハラだよね~」

 

などなど、長時間労働、サービス残業に始まり、休日出勤、パワハラ、裏帳簿にいたるまで…、「うちの会社」のブラックぶりを、彼らは半ば諦め気味に嘆く。

 だが、冒頭の言葉、実は、働く人ではなく“働かせる人”の口から出たのである。

 経営者の方たちの交流会の場で、つまり、社長さんの口から、先の発言が飛び出した。笑顔で。飄飄と。開き直って。「ブラックなんですよ」と非常識なまでに堂々と言い放ったのである。

 あまりに普通に言われてしまったので、憤りを通り越して金縛りにあってしまったのだが、話をうかがっていくと社長さんの言い分にも一理あるな、と。

 モノゴトの表と裏というか、人の心の善と悪というか。「よくぞここまで言ってくださいました!」とお礼を言いたいなるくらい潔く語ってくれたので、今回は「本音と建前」について考えてみようと思う。