人間の身体は24時間のリズムで変化。活動や睡眠の変化だけでなく、

  • 朝が来ると血圧と心拍数が上がり始め、
  • 昼には血中のヘモグロビン濃度が最も高まり、
  • 夕方には体温が上がり,夜には尿の排出量が多くなり、
  • 真夜中には免疫を担うヘルパーT細胞の数が最大になり、成長ホルモンがさかんに分泌する。

 その身体の1日のリズムを遺伝子レベルで解き明かす道を開いたのが、今回ノーベル賞を受賞する3人の博士である。

 で、その人間の体内に宿る「体内の時計」と「生活のリズム」がうまく同期しなくなると、がんや神経変性疾患、代謝疾患などのリスクが高まることが近年の研究で確かめられ、更なる研究が進められている。

 たとえば、WHOの行なった調査では、乳がん、前立腺がんなどの、性差に特徴のあるがんで大幅にリスクが上がることがわかり、デンマークでは、看護師さんなどの交代制勤務をする人が乳がんにかかった場合、労災の対象になる。

 また、昨年にはハーバード大学などの共同研究グループが、看護師約7万5000人分の経年データから分析した結果、以下のことがわかった(1988年から2010年までのデータ)。

  • 1988年から2010年の22年間に、対象者のうち約1万4000人が亡くなり、うち約3000人は心臓や血管の病気、約5400人はがん。
  • 交代制夜勤のある人は、全く夜勤の無い人よりも死亡率が11%高く、中でも夜勤を6~14年続けている女性は、心臓や血管の病気による死亡率が19%、15年以上続けている人は23%も高い。肺がんによる死亡率は25%高い。

体内時計には逆らえない

 日本でも山口大学時間学研究所の明石真教授らの研究から、「体内時計と生活リズムのずれ」がもたらす影響は確かめられている。

 早出や夜勤など勤務の交代制がある職場で働く人たちに、3時間に1回“ヒゲ”を抜いてもらい、毛根の細胞を利用して、体内時計と勤務の関係を調べたところ……、

 「早出と遅出のシフトが1週間ごとに入れ代わるシフト勤務についている人の場合、睡眠や食事の時間が7時間ほどズレが生じるのに対し、体内時計の変化は2時間程度」

 ということが分かった。
 内臓は“就寝時間”になっているのに無理に働くという“不自然な勤務”が、動脈硬化や高血圧、肥満、糖尿病などの引き金になっていたのだ。

 夜は何のために夜なのか?
 私たちは「労働者」である前に、「人」という霊長類の動物である。
 仕事のために生きているのではない。生きるために仕事しているだけだ。

『他人をバカにしたがる男たち』
なんとおかげさまでまたまた増刷!あれよあれよの3万部! ジワジワ話題の「ジジイの壁」

他人をバカにしたがる男たち』(日経プレミアシリーズ)

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最終章では男女の別ない温かい眼差しに涙腺は崩壊寸前、気づくと付箋だらけに。
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ウェビナー開催、「1時間で完全理解 『量子コンピューター』は何がすごいのか」

 岸田内閣の「新しい資本主義」の重点投資に組み込まれた量子コンピューター。既存のコンピューターよりも処理速度が速いといわれる量子コンピューターですが、その技術や、我々の社会や経済をどう変える可能性があるのかを理解している人はまだ少ないのではないでしょうか。

 日経ビジネスLIVEでは9月13日(火)19:00~20:00に「1時間で完全理解、 『量子コンピューター』は何がすごいのか」と題してウェビナーをライブ配信する予定です。登壇するのは、住友商事で新規事業創出を担うQXプロジェクト代表・寺部雅能氏と、業界動向に詳しい野村総合研究所IT基盤技術戦略室エキスパート研究員の藤吉栄二氏。量子コンピューターの技術的な特徴から、ビジネス活用の最前線まで分かりやすく解説します。

■開催日:2022年9月13日(火) 19:00~20:00(予定)
■テーマ:1時間で完全理解、「量子コンピューター」は何がすごい?
■講師:寺部雅能氏(住友商事QXプロジェクト代表)、藤吉栄二氏(野村総合研究所IT基盤技術戦略室エキスパート研究員)
■会場:Zoomを使ったオンラインセミナー(原則ライブ配信)
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