自殺未遂者の「5人に1人」が、身近な人を自殺で亡くしている

 冒頭の調査では、追いつめられた人の“心模様”を垣間見ることができる、とても大切な結果も得られているので、そのあたりも含めもう少し詳しく紹介する。

【自殺未遂について】
•過去1年以内に自殺未遂を経験した人は推計53万5000人で、20代が最も多い(前出)

※推計方法は調査結果から性別・年齢別自殺未遂率を算出し、平成27年度国勢調査の結果を掛け合わせた。

•81.4%が、2つ以上の理由が重なり自殺未遂に至ったと回答
•全体では「健康問題」「家庭問題」「経済的問題」などが原因の上位
•男性(20~39歳)では、「離婚」「事業不振」「失恋」「倒産失業」
•女性(20~39歳)では、「家庭内暴力」「家族の不和」「子育ての悩み」

【自殺念慮について】
•4人に1人(25.4%)が「本気で自殺したいと考えたことがある」とし、そのうちの6.2%は現在も自殺を考えている
•20~39歳では、3人に1人(34.5%)
•7割以上が「誰にも相談しなかった」

【自殺のリスクを抑える要因は何か?】
•「私は他者の役にたっている」「私は他者から信頼されている」「私は他者から『ありがとう』と感謝されたり、褒められることがある」などの、自己有用感
•「私には問題を解決できる能力がある」という自己効力感
•「家族や恋人が悲しむから」といった感覚

【その他】
・5人に1人が「身近な人を自殺で亡くした」と回答
・そのうち33.9%が自殺念慮を抱き、10.4%が自殺未遂を経験

 さて、これを見てどう思われただろうか?

 私は……、自殺未遂者の数にもショックを受けたが、「5人に1人」もの人が、身近な人を自殺で亡くしているという事実に、正直驚いた。そんなにいるのか、と。

 実は私にも経験がある。父の部下だった方が自殺したのだ。その方は私たち家族が米国滞在中に、何度も遊びに来てくれた方だった。亡くなったとき、私は中学2年生。記憶には曖昧な部分がかなり多い。それでも、お別れに行ったときのとてつもない重たい空気だけは、鮮明に記憶している。