職場で虐待を受けた障害者数は過去最悪

 奇しくも時を同じくして、雇用されている障害者への虐待数が過去最悪だったと報じられた。

 書いているだけで気が滅入ってくるのだが、厚生労働省の発表によると、昨年度に職場で虐待を受けた障害者は1308人。前年度から35%増え、過去最悪を更新した。

具体的には、

  • 賃金が最低賃金を下回るなどの「経済的虐待」が84%
  • 差別的言動などの「心理的虐待」が8%
  • 暴行などの「身体的虐待」が6%

 経済的虐待では、製造業の事業所で知的障害者の賃金が最低賃金(時給ベース)を200円下回るケースがあり、労基署が是正勧告をしたそうだ。

 先の水増しの影響もあいまってか、「最低賃金を200円下回る」という衝撃的な文言はSNSでも一斉に拡散。そこには障害を持ちながら働く人たちの悲痛な叫びも含まれていた。

 障害者の賃金の低さはかねてから問題視されてきた極めてゆゆしき問題で、障害者の“貧困化”は、国際労働機関(ILO)からも改善要求が出されたこともある。民間団体が行なった調査によると、障害者の98%が年収200万円以下で、このうち年収100万円以下を6割が占めた。(詳しくはここ

 また、厚労省によれば、雇用契約を結ばないB型の平均賃金は月額約1万5000円、雇用契約が必要なA型でも約7万1000円。前年度より増えているとはいえ、B型の平均時給は199円しかない。(詳しくはここ

 B型は最低賃金の下限がないので最低賃金を大幅に下回る賃金で働かせることができる。一方、A型には、雇用契約を結んだ利用者1人当たり1日6000~8000円の給付金が国から入る。仮に障害者の労働時間が1日3時間であれば、事業者は3時間分の最低賃金を支払えば済み、給付金からこの分と事業経費を差し引いても採算が取れる計算になる。
 もちろん事業所や企業の中には、障害者を積極的に雇用し生産性を上げたり、障害者の年収アップに努めたりしている企業も多い。しかしながら「悪しき行いをする事業」が後をたたないリアルが存在するのだ。

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