障害のある人が働く環境にさまざまな課題が生じている(写真:PIXTA)

 今回は「不適切な行為」について考えてみようと思う。

 中央省庁の「障害者雇用の水増し問題」をきっかけに、地方でも次々と呆れんばかりの実態が明らかになっている。
 教育委員会でも水増ししていたり、糖尿病の職員や他の病気で休職中の人を障害者にカウントしていたり、障害者がまったくいないのに「雇用している」と国に報告していたり……。

「確認していなかった」
「10年前に確認しただけだった」
「認識不足だった」
などと、行政のお偉い方たちが頭を下げる映像が続々と報じられている。
 コンプライアンスとか、人権とか、弱者にやさしい社会とかの表現を、省庁や地方自治体のホームページやパンフレットなどで見た記憶があるが、あれは幻だったのだろうか。
 「バレなきゃな何をやってもいい」って? 絵に描いた餅。とどのつまり「障害者手帳の数」だけを見て雇用率を引き上げ、ペナルティや助成金政策をとった末の歪み。いい意味でも悪い意味でも「人」を見ていないことが問題なのだ。