
2020年まで、あと3年。いや、もう3年?
いずれにせよ、3年後は「アッ」という間にくる。
といっても、東京オリンピックの話をしているわけではない。
なんと「日本人の女性の過半数が50歳以上」になってしまう……というのだ。
『未来の年表 人口減少日本でこれから起きること』の著者、河合雅司氏が、合計特殊出生率を計算する際に「母親になり得る」とカウントされている49歳までの女性人口と、50歳以上の女性人口を比較した結果、
「2020年には、50歳以上の人口(3248万8000人)が、0~49歳人口(3193万7000人)を追い抜き、日本女性の過半数が出産期を終えた年齢になる」
ことがわかった(国立社会保障・人口問題研究所の推計に基づき算出)。
「出産期を終えた年齢」……ですか。
ふむ。グサッとくる言葉だ(苦笑)。
今までも「産めや、増やせや、でもって、働けや!」と、戦時中並みの圧力をかけられている若い女性たちが気の毒で、「戦力外でホント、ごめんなさいね。いつの間にやらこんな年齢になってしまって…、個人的には“まだ”イケるかもと思っているのですが…(冷汗)」なんてことを冗談混じりに言っていたのだが、遂に「50歳以上」で一括りにされてしまうとは……。
兄と私を育てあげた77歳の母親と一緒のグループ。なんてこった。
この数字が胸にズシッと来た理由
河合雅司氏が日本人の女性を「母親になり得る年齢」と「もうムリ!!」という年齢とに分け、比較した背景には、
「半数以上が50歳以上になって、どうやって少子化を解消するというんだ? ひとりで5人も6人も生んでくれってことなのか?」
といった、「政府の少子化対策の夢物語ぶり」を指弾する狙いがあった。
この数字を突きつけられた世間はおののき、“未来の日本”を案じたわけだが、リアル「50歳以上」の働く女性たちの心配は、ちょっとばかり異なる。
“自分の未来”に、戦戦恐恐としたのである。
私自身も「3年後の2020年に大人(20歳以上)の“10人に8人”が40代以上。50代以上に絞っても“10人に6人”」と各所で公言してきたのだが、「女性」と限定されたことで、数字の持つ重さにズッシリとヤラレている。
「女性には役職定年なんてない。アレはドラマの世界」――。
こう嘆くのは、某大手企業に勤める、夫なし、子なし、介護の母ありの“マンネン課長”。51歳の女性である。
というわけで、今回は「定年女子」ならぬ「役職定年女子」について、アレコレ考えてみようと思う。
と、その前に簡単に補足しておきますと、「ドラマの世界」とは、今話題になっている「定年女子」のこと。大手商社に勤める53歳の主人公が(南果歩さん)、突然、役職定年を言い渡され、邪魔者扱いされ居場所を失い、会社を辞め、セカンドライフを模索するドラマだ。
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