先行研究で「女性医師は男性医師に比べて、患者の立場に立ってコミュニケーションを取る」ことが報告されていて、そういった患者との関わり方の違いが患者の予後に影響を及ぼしている可能性が指摘されている。

 健康社会学の分野でも、近い人との質のいいコミュニケーションが余命を伸ばす研究結果は多数報告されているし、個人的な経験からも、これはかなり納得できる考察である。

 個人的な話で申し訳ないが、3年前に旅立った私の父親は「お医者さま」の言葉を何よりも頼りにしていたのである。

医師は「残された命」に光を与えてくれる存在

 「○○先生から運動していいって言われた!」「○○先生が“血液検査の結果も良好!”って言ってた」「○○先生から“順調ですね!”って言われた」などなど、入院中も通院しているときも、父は医師の言葉に勇気をもらっていた。そして、そういう父を見るのが、私たち家族の希望でもあった。

 そのつまり、なんというか、医師というのは医療現場が考えている以上に、患者や家族にとって「残された命」に、光を与えてくれる存在なのだ。その「光」が生存率や予後にも影響することを「医学会の偉い人たち」にはもっとわかって欲しいと思う。

 そして、今回の「一律減点事件」を必要悪などとするのではなく、「患者の立場に立ってコミュニケーションを取ること」が患者の死亡率に影響する可能性を示唆した極めて重要な研究が、女性医師への偏見をなくし、女性医師たちの活躍の場が広がる意義あるものとしてもっと世間に広まって欲しいと心から願っている。

■訂正履歴
記事中の死亡率、再入院率に誤りがありました。お詫びして訂正します。記事は修正済みです。 [2018/8/7 10:30]

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