「会社員」という身分に安住した時「会社員という病」になってしまう
「会社員」という身分に安住した時「会社員という病」になってしまう

 「河合さんは率直に会社員って、どう思いますか?」

 先日、48歳の男性をインタビューした時、こんな質問を受けた。

 会社員――。

 普段何気なく使っている言葉だが、突然「どう思うか?」と問われ、「いや~、会社員って、やっぱ●●ですよね~」と即答できるほど「会社員」について考えたことはなかったので、正直戸惑った。このコラムを読んでくださっている方たちの、おそらく9割近くは「会社員」であるにもかかわらず、だ。

 ふむ。会社員、ね。

 「そんなの会社に勤めている人で、それ以上でもそれ以下でもないだろう?」

 確かに。でも、だったらなぜ、

「しょせん、会社員ですから~」と自嘲気味に話す“エリート”や、

「会社員的な働き方だよね」と批判的に使う人や、

「長年、会社員やってるとさ~」とエクスキューズに使うベテラン社員たちが、山ほどいるのか。

 会社員。どちらかといえば……ここ数年、ネガティブに使われることが増えたように思う。実際、冒頭の男性も「会社員」を決してポジティブには捉えていなかった(追って説明します)。

 というわけで、既にこの短時間に「会社員」を連発して不思議な気持ちになっているのだが、今回は「会社員」について、考えてみようと思う。

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