お金が欲しいのは、本当に「生活が苦しいから」?

 この調査結果、改めて分析してもらうまでもなく、ごくごく当たり前の結果だと考えることもできる。

 なんせ、この30年で74.54歳(男性)、80.93歳(女性)だった平均寿命(1984年)は、80.18歳(男性)、86.83歳(女性)と延び(2014年)、年金受給年齢は引き上げられ、考えれば考えるほど、「大丈夫か?」という気分にもなる。

 た・だ・し、実はコレ、調査対象は「60歳以上」のいわゆる「逃げ切り世代」だ。平均寿命が5年延びたとしても、下の世代に比べればまだ“懐は温かい”はず。

 生活に困窮する、いわゆる「下流老人」が増えている一方で、悠々自適な日々を過ごす人たちも多い。

 実際、内閣府の「平成28年版高齢社会白書」では「家計にゆとりがあり、まったく心配なく暮らしている」と答えた人は、75歳以上では20%を超え、60代、70代前半でも約15%。「家計にゆとりはないが、それほど心配なく暮らしている」という人を加えると、7割以上もの人が、「お金を心配せずに暮らしている」のである。

(出所:平成28年版高齢社会白書)

 つまり、冒頭の調査結果は、「もっとゆとりある生活のために、お金が欲しい人」と、「生活が苦しいので、お金が欲しい人」が混在していて、前者の人が多いと推察できる(ちなみに高齢社会白書では「家計にゆとりはなく、多少心配である」が21.7%、「家計が苦しく、非常に心配である」は6.6%となっている)。

「かくいう私も、不安なのだ」

 といっても、これは「今」の60歳以上のお話である。

 「今」の50代が60代になったときには、「生活が苦しいので、お金が欲しい人」の割合が大幅に増加する可能性は高い。さらに、非正規元年世代である40代が60代になったときには、もっともっと深刻化するに違いない。

「なんかヤバいなぁって。ええ、お金です」
「老後が不安」
「会社でもそろそろかなってなってきたので……」
「退職金激減してるんだよなぁ」
「今の55歳以上は、まだ逃げ切れるでしょ」
「僕たちは無理」
「団塊の世代がうらやましい~」
etc、etc…

 実際、この1年間でこんな具合に将来への不安を口にする人が、フィールドインタビューでも増えた。果てしないポジティブ思考だったバブル世代でさえ、将来への不安を抱くようになってしまったのだ。

 ん? 私ですか? ええ。その一人です。コレといったきっかけがあるわけではない。だが、最近になって、かくいう私も将来に不安を感じている。

同世代たちの不安が伝染した?
その可能性はある。

仕事に行き詰まった?
それは毎度のこと(苦笑)

 いずれにせよ、先日、51歳の男性から伺った話が、実に考えさせられるもので、みなさんのご意見も伺いたいと思った次第だ。ふむ。こういうときこそ、コメント欄の機能を生かさなくてはならない。

 というわけで、今回のテーマは、「将来不安」です。では、さっそく、男性の話をお聞きください。