●6月28日付で「成績・進学期待 収入に比例」との見出しで、お茶の水女子大学の調査結果を朝日新聞が報じた。
全国学力テストを受けた小6と中3の保護者約12万2000人を対象に調査し、両親の収入や学歴(SES)で「上位層」「中上位層」「中下位層」「下位層」の4群に分割したところ、

  • 層が上がるほど学力調査の平均正答率が高く、中3の数学Aは「上位層」77.1%に対して「下位層」は52.8%。
  • 層が上がるほど子供への進学期待が高く、「大学」と答える人は、小6の「上位層」で80.8%に対し「下位層」33.2%、中3の「上位層」で81%に対し「下位層」は29.3%。

二階氏発言の違和感

 ……さて、ご覧の通り、新聞を開くたびに飛び込んできた上記の“連打”にため息が出た。

 奇しくも時を同じくして、自民党の二階俊博幹事長の「子どもを産まない方が幸せに送れるとは勝手な考え」発言が物議を醸していたので、余計末期的な気分になった。

 すでに忘れてしまった方のためにおさらいしておくと、二階氏の講演会で、参加者から「自民党と政府が一体になって、早く結婚して早く子どもを産むように促進してもらいたい」と言われると、二階氏は戦時中の話をした上で、「この頃はね、『子どもを産まない方が幸せに送れるんじゃないか』と勝手なことを自分で考えてね」と発言。

 テレビを中心としたマスコミはこの部分ばかりをクローズアップし、やたらと問題視したのが、個人的には“その後”の発言の方が納得いかなかった。

二階氏曰く、

「食べるのに困る家は実際はない。今晩、飯を炊くのにお米が用意できないという家は日本中にない。こんな素晴らしいというか、幸せな国はない」

と断言していたのだ。

 ご存知の通り、日本の相対的貧困率は世界的に見ても高く、「ひとり親世帯」(就労者)は50.8%で、経済協力開発機構(OECD)の調査でも主要国で最悪レベルだ。特に子供の「相対的貧困率」は社会問題で、最新の調査では7人に1人の子どもが「相対的貧困状態」にある。

 「相対的貧困」とは、普通の生活水準と比較して下回っている状態のこと。具体的には世帯1人あたりの手取り収入の中央値を基準とし、その半分未満。金額にすると1人世帯では年収122万円程度で、両親と子ども2人では244万円が基準となり、4人家族であれば月収およそ20万円以下であれば貧困状態だ。

 冒頭の「所得が下位4分の1(平均279万円)世帯」「130万~200万未満世帯」は、相対的貧困層に入る可能性の高い世帯である。

 「月収で20万円あるんだったら、二階氏の言う通りじゃん。それだけあれば今晩の飯を炊くお米が用意できない』ってことはないでしょ?」

そう思う人もいるかもしれない。これこそが「見えない貧困」と言われるゆえんだ。

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