幼少期の「機会奪略」はその後の人生の選択にも大きな影響を与える(写真はイメージ)

 今回は「リソースの欠損」というテーマでアレコレ考えてみようと思う。

 リソースに関する説明は後でするが、持てる者と持たざる者といいますか。モヤモヤする出来事が、新聞で、テレビで、リアル世界で相次ぎ、暗たんたる気持ちになってしまったのだ。

以下、もろもろ“連打”しますので、皆さんも一緒にお考えいただけば幸いです。

●6月25日付で「低所得者世帯の乳児発育不全リスク 高所得者世帯の1.3倍」との見出しで、北里大学の研究結果を日本経済新聞が報じた。

 2001年生まれと、10年生まれの子供約5万5800人を追跡。1歳半までに標準的な体重に達していない乳児の割合と、親の所得との相関関係を調べた結果……

  • 所得が下位4分の1(平均279万円)の世帯の乳児は、所得が上位4分の1(平均924万円)の世帯の乳児と比べ、体重の増加不良になる割合が1.3倍となった(01年、10年ともに)。

●6月26日付で「低所得ほど長時間 老老介護 支援の情報届きにくく」との見出しで、国立長寿医療研究センターの調査結果を、これまた日本経済新聞が報じた。

 在宅介護をしている65歳以上の男女1598人を所得で分け、介護時間を測定し分析。1日平均で10時間以上(週72時間以上)の介護をしなければならないリスクは、「318万円以上」を1とすると……、

  • 「200―318万円未満」では1.63倍、「130-200万円未満」では1.86倍、「生活保護受給者」では2.68倍となり、所得が低いほど介護する時間が長くなる傾向が見られた。
  • さらに1日平均で5時間以上(週36時間以上)の介護をしなければならないリスクなどについても同様の傾向が見られた。

 在宅介護時間が長いと介護者の心身にも悪影響が出る。収入が低くなると有効な情報が入りづらくなったり、頼れる他者がおらず孤立している可能性がある。

 また、筑波大などの研究チームが滋賀県内に住む65歳以上の8434人を11年から6年間追跡したところ、「経済的に困窮」「近所づきあいがない」「独居」「ボランティアなど社会参加していない」の4項目のうち2つ以上が該当する人は、全く当てはまらない人より1.7倍、要介護・死亡リスクが高いこともわかっている。