そこで、内閣府のHPで「男性家事」で検索したところ、2つの資料がヒット。
ひとつは、昨年10月に設置された「男性の暮らし方・意識の変革に関する専門調査会」に関するもので、調査委員会は今年2月まで計5回の開催(こちら)。
で、議事録を確認してみると。
- 地方での取り組み
- 意識調査の結果
- ヒアリングの結果
- 海外の事例(フランスの父親休暇など)
などを委員会のメンバーらが紹介。
会議では、物理的な時間、すなわち「長時間労働の削減」や、企業のトップの意識改革も取り沙汰されていたけど、
- 意識改革
- マインドチェンジ
- センセーショナルな政策
といった啓蒙活動の重要性ばかりが訴えられていた(議事録を確認する限り)。
それって夫婦の取り決めから
確かに意識改革は必要である。
でも、働く女性たちが、「食事作らなきゃ」「掃除しなきゃ」「洗濯しなきゃ」、フ~ッとため息をつくのも、家事はやらなくてはならない仕事だからで。
つまり、家事とは、「人が生活する上での“労働”」である。
もちろん男女に関係なく、料理や洗濯や掃除が好きで、積極的にやる人もいるけど(僭越ながら私はコレです。意外なことに…)、そういった嗜好がある人でも時間的余裕がないときには、「やらなきゃならない仕事」でしかない。
では、家事が夫にとっての「やらなきゃならない仕事」になるためには、どうすればいいのか?
…夫婦間の問題でしょ? そう。夫婦間の取り決め。
フランスで育った妻を持つ友人は、夫婦間で家事の担当を決めていて、夫の担当の日には、「早く帰ってやらないと妻に殺される~~~~!!」と、速攻で帰っていたし、結婚するときに「食器洗いと風呂掃除は夫」という決めごとをした知人は、午前様になろうとも食器を洗い、風呂掃除をやっていた。
夫婦間で決めたから、妻は自分の担当以外はやらない。夫婦間で決めたから、夫は自分の担当をやらなくてはならない。
それをどこまで徹底するかも、夫と妻の夫婦間の問題でしかない(これについて一昨年コラムでも書いている。「女性活躍の陰で増殖する『帰宅恐怖症』」)。
つまり、この「夫婦の問題」に切り込むキャンペーンを政府がやるとしたら……、難しいでしょうね。「夫の家事参加は夫婦間で解決してください!」なんて政府が介入しようものなら、「その前に労働時間を減らせ!」と集中砲火を浴びる。なるほど。それがわかっているから、調査委員会の方たちは「おとう飯」に逃げたってことか。
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