問題に対処する「心の体力」が低下

 これは「生きる力」を高める感覚のひとつで、「積極的他者関係」の高低は抑うつ傾向、ワークモチベーション、欠勤などと相関関係があり、ストレス対処力とも関係している。社会的動物である人間にとって「積極的他者関係」の欠如は、それ自体がストレスとなる。何らかの問題や困難に遭遇しても「なんとかしよう」と考えることができない。
 私が2006年に調査したときには、積極的な他者関係が欠如している人は、逃避行動をとることが多かった。慢性的に降り続く雨にびしょ濡れになっているため、問題に対処しようという「心の体力」が低下してしまうのだ。

 「孤独」と「つながり」はコインの表と裏ではなく、一本のレールでつながっている。両者が矛盾なく、同時に成り立っていることが健康である。

 だが、積極的な他者関係が欠如すると、孤独感だけにひっぱられ、孤独という病いにおかされてしまうのだ。

 今回は「孤独という病」を理解してもらいたくて、取り上げました。

 「孤独感→周りへの不信感や敵対心→他者関係の遮断→さらなる孤独感→孤立→心身の不調」
という孤独の悪循環である。

 したがって、その解決策(企業での取り組み、個人の取り組み)はまたの機会に書きます。あしからず。

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