左遷でくじけない人の共通項

楠木:これは私の経験上感じていることなんですが、会社の中で行き詰まった後に、上手に方向転換できる人にはいくつかの共通項があるんです。

河合:例えば?

楠木:まず、小さいころの自分に立ち戻ることができる人。若い時分に好きなこと、やりたいことがあっただけでなく、コンプレックスがあったケースも含まれます。再度チャレンジを始めて、笑顔を取り戻せる。彼らは小さい頃と現在の自分との間に物語ができるので揺らぎにくい。

 あとは、社外のネットワークを作ることができる人。特に、個人事業主とか、フリーランスとの付き合いで刺激を感じることができる人ですね。異なる視点から物事を見ることができるので新たなチャンスが生まれます。サラリーマン同士だとどうしても、属しているコミュニティーの枠組みの中での話に終始しがちです。

河合:イジワルな言い方になりますけど、特に役職の高い人は「論理」主導で考えるから、なかなか方向転換できないんですよ。

 人のアクションは、心で何かを感じることでしか変わらない。「Don’t think, feel」ですよ。心で感じる前に考えちゃうから、動けなくなっちゃう。お利口さんなんです。

楠木:確かに(笑)。多くのサラリーマンは論理主導で行動が伴ってこない。

河合:誰でもきっと、心の中に押し込んでいる思いがあって、ただ、それは日常生活の中ではなかなか表に出てこない。でも、人と会って話していると自然と出てきて、それで初めて自分の思いを確認できたりする。

 だから、さっき楠木さんがおっしゃったように、社外に話し相手が多くいる人の方がアクションが早い。

楠木:自分を変えようと思うと難しいのですが、魅力ある人の働き方や生き方を自分に重ね合わせれば、自分と会社との関係は変えやすい。

 また以前に比べれば日本の会社も余裕をなくしてしまったけど、組織って、生産性の高い優秀な人間ばかりを集めていればうまく回るというものではないと思うんですよ。

河合:その通りだと思います。部品と部品をつなぐ目に見えない役割も必要だし、潤滑油になる人も重要だし。気配りができて、いいタイミングで飲みに誘ってくれたりする先輩とかも、絶対いてほしい。組織である利点って、一つの物差しだけでは評価しきれない、そうした多様な人が集まっているということですよね。だから、組織としての力を発揮できる。

楠木:河合さんが指摘された、左遷で生じる「強者の論理」を自分の中で消化するためには、自らの出世や利益を中心に考える「自己への執着から」、一緒に働く仲間や家族などに対する「他者への関心に」働き方が移行することが大切だと思っています。

 本の中で紹介した池上彰さんとかもそうですが、一見不遇だと思える出来事をきっかけにして、新たなステップに向かう人は少なくありません。そういう理不尽な目にあったと思った時に、『左遷論』を手に取っていただきたいですね。

河合:会社員であれば、ごく一部の人を除いて、いつか必ず左遷に直面するわけです。左遷で右往左往することのないように、『「穴あけ」勉強法』を参考に、自分の人生をデザインするための準備をしておいていだければうれしいです。

河合・楠木:お互いの著書の話になったところで、お開きにいたしましょう。

この本は現代の競争社会を『生き勝つ』ためのミドル世代への一冊です。

というわけで、このたび、「○●●●」となりました!

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