キャリアはいくつもの「組み合わせ」

河合:私、キャリアは自分なりに七色を描いていけばいいと思っているんですね。

楠木:それってどういうことですか?

河合:キャリアレインボーと言いまして…。キャリアって、一般的には職業としてとらえられますが、キャリアレインボー理論では、「人生のある年齢や場面のさまざまな役割の組み合わせ」と考えます。

 つまり、“組み合わせ”なので、必ずしも、一つのことをずっと続ける必要はないんです。別の言い方をすれば、その時々で、目の前のことに一生懸命取り組めばいい。虹のように、いろいろな色で「会社員」「学生」「市民」「家庭人」である自分を彩ればいい。

 この理論を知って、本当に心が楽になりました。

楠木:私は、会社に勤務しながらフリーランスの仕事もやっていたので、役割の組み合わせというお話はよく分かります。ただ会社本位の働き方をしていると、7色どころか、黒か白の2色でしか彩れない――なんてことになりそうです。

河合:でも、自分を彩れないって、もしかしたら甘えの裏返しだったりしませんか? 会社は自分を守ってくれるはずだから、彩ることなんか考えずに、大人しくしておこうって。会社色に染まっていこうって。

楠木:全くその通りです。かつての私もそうでした。

河合:会社色に染まるのは、ラクかもしれませんが、楽しくない。『「穴あけ」勉強法』は楽しくキャリアを重ねて欲しくて、書いた本でもあるんです。

楠木:左遷に直面した時、もしくは会社で行き詰まりを感じた時、会社を辞めるか、そのまま会社に残るかの選択肢しかないと思ってしまうのです。本当はいろいろな働き方があるのですけど。ただ、40歳位までは、組織でがむしゃらに頑張った方が良いと思っています。

河合:年齢のことはさておき、一定の期間はがむしゃらにやらなければいけないと思うのは、私も全く同感です。

 先ほどキャリアレインボー理論の話をしましたが、あれも、いろいろある役割を、同時でなくてもいいのですが、一生懸命こなすというのが前提で。でないと、輝きませんから。いろいろなものに手を出して、中途半端に食い散らかすというのとは全然違うんです。

楠木:なるほど。