日本の年間自殺者数は男性が7割を占め、諸外国をみても男性の方が自殺率は高い。しかしながら、諸外国と比較すると、以下のグラフのように女性の自殺率の高さが目立つ。

主要国の自殺死亡率
主要国の自殺死亡率
「第1-38図 主要国の自殺死亡率」

 これらがメディアで大きく報じられた内容である。

 ふむ。確かに白書に記されているとおり(こちら)「我が国の年間自殺者数は男性が7割を占め多く、諸外国をみても男性の方が自殺死亡率は高くなっているが、諸外国との比較でみると、我が国の女性の自殺死亡率の高さが 目立っている」。

男性の問題も見逃せない

 ただ、男女の死亡率の格差は国により異なり(理由に関してはさまざまな意見あり)、日本の男女格差は昔から欧米諸国より低いとされていて、女性の自殺率が高いのは、実は今始まったことではない。

 女性の自殺率は1947年以降、変動はあるもののあまり変わっていない一方で、男性は1990年代後半から急増し、男女差が拡大(こちら)。全体的に自殺率は減少に転じているものの、広がった格差はいまだひらいたまま。つまり、女性の問題もさることながら、男性の問題も見逃してはならないのである。

自殺者数の長期的推移
自殺者数の長期的推移
「第1-2図 自殺者数の長期的推移(人口動態統計)」
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 この白書では男性の自殺率の高さの構造的な部分の世界比較に触れていないのだが、実は日本は独特だ。

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