自分を俯瞰できた人はジジイにはならないはずなのだが……(写真:ロイター/アフロ)

 今回は「う~~む」と唸らずにはいられない出来事があったので、それについてアレコレ考えてみようと思う。
 テーマはなんだろう。「50代の負け組意識」、いや「意識高い系の欲望」、いやいや「オジさんたちの夢」……ううむ。どれもしっくりこない。

大手企業の“エリート”の嘆き

 とにもかくにも、
「40代半ばくらいからでしょうか。50代になったら会社を辞めて、セカンドキャリアを歩もうと決心しました」 と話す54歳の男性のインタビュー内容について、掘り下げてみたい。みなさんのご意見もうかがいたいのでお付き合いください。

 では、某大手企業に勤める“エリート”の嘆きから。

 「私は幸運にも上司に恵まれ、若いときからいろいろと経験をさせてもらい、海外駐在にも出してもらいました。

 気がつくとそれなりの役職になり、社長のカバン持ちで出かけることも増え、『このまま会社で上を目指そう』と思った時期もありました。出世がしたいというより、会社というひとつの組織で、どこまで自分が行けるのか?それを試したくなったんです。

 でも、やっぱりそれは思い描いていた自分とは違う。気がつかないうちに、河合さんが言うところの“ジジイ”になりそうになっていました。

 それできちんとベースを作ろうと思って、大学院に進学。ちょうど40代半ばにさしかかった頃です。50代になったら会社を辞めて、セカンドキャリアを歩もうと決心したんです。
 公募がある度にエントリーしてるんですが、狭き門なので全く決まらない。

 え? 目指してる再就職先ですか? ……すみません。詳しくは言えません。

 ただ、決まればすぐに辞めるつもりだった。けどなかなか決まらないうちに会社から大きなプロジェクトリーダーを任されました。上からは現場の次期リーダーの育成もかねてやって欲しいと言われて。今からちょうど1年半前の出来事です。

 自分では『最後のご奉公』のつもりで、できる限りのことをやった。若い人たちにも自分のノウハウを教え、プロジェクトを成功させるために上とも戦ってきました。下もがんばって育ってくれましてね。そろそろ退き時という空気を日々、ヒシヒシと感じています。

 なぜ、そう感じるかって? それはやっぱりプロジェクトのメンバーが自分と距離を置き始めているからです。ついこないだまで寄ってきた奴らが、周りから消えた。現金なものです(苦笑)。

 再就職先が決まりさえすればいいんですけど、ね。ずっとこの会社から退くことだけを考えて準備をしたんですけど、上手くいかない。とんだ“負け組”になってしまいました……情けないです」

……以上です。

 ※“ジジイ”は拙著内で定義したものだが、こちらにも書いてあります。

 何度も言っているとおり、ジジイとはジジイ的なるものの象徴なので、女性にも若い人にも“ジジイ”はいる。