そういう時、人は“消えよう”とする

 不正は、「もの言えぬ風土のせい」と誰もが口を揃える。だが、ものが言えないことが真の問題ではない。「言っても無視するトップ」が問題なのだ。

 データを改ざんした子会社の当時の管理職は、「燃費目標に達成できない」と報告したところ、「都合の良いデータだけを使えばいい」と言われたそうだ(日本テレビの報道による)。

 どんどんとつり上げられる燃費目標に疑問を持ちながらも、必死で、ふんばっていた。どうにかしよう、と。でも、どうにもならない、もう無理と伝えたのに、「都合のいいデータだけ使えばいいじゃないか」だなんて……。私だったら、グレる。

 ものを言って無視されたときの屈辱は、ものを言えないとき以上にしんどい。 問題を解決しようというダイナミックなエネルギーが失せ、絶望するのだ。

 絶望した人間は、自暴自棄の感情に支配される。

「自分はいったい何のために努力していたんだ?」

と、自分の存在意義すらわからなくなり、群衆の中で息をひそめるのである。

 かつてオーストリアの心理学者で医師のヴィクトール・E・フランクルがその著書『夜と霧』(みすず書房)の中で、自分の存在意義を見いだすことができず、自分の意思で行動しても、発言しても、それが何の役にも立たない、それでも、そこで生きるしかない、という状況になった時、人間は“群衆の中に消えようとする”と説いていたように、だ。

 私はパジェロでスキーに行くことに憧れ、初めて自分で車を買うとき、GTOは候補の一つだった。

 三菱の車は強くて、かっこよかった。だが、その陰で、いや、その数年後から、“現場”人たちの強さ、かっこよさは会社に吸い上げられていたのかもしれない。

 本田宗一郎氏は、世界各地の工場を作業着で訪れ、食堂で冷め切った食事を出す料理長に「こんなメシを従業員に食わせて、いい仕事ができると思っているのか!」とカミナリを落とした。当時主流だった昼夜2交代制を、「昼間やって、翌週に真夜中に仕事して、身体を壊したらどうするんだ!」と、連続2交代制(午前6時30分~午後3時10分/午後3時20分~午後11時30分)を初導入したことは広く知られている。

 現場の環境にこだわったのは、そこで働く人を“人”として尊重したから。当然ながら、それを使うお客さんのことも……。

この本は現代の競争社会を『生き勝つ』ためのミドル世代への一冊です。

というわけで、このたび、「○●●●」となりました!

さて、………「○●●●」の答えは何でしょう?

はい、みなさま、考えましたね!
これです!これが「考える力を鍛える『穴あけ勉強法』」です!

何を隠そう、これは私が高校生のときに生み出し、ずっと実践している独学法です。
気象予報士も、博士号も、NS時代の名物企画も、日経のコラムも、すべて穴をあけ(=知識のアメーバー化)、考える力(=アナロジー)を駆使し、キャリアを築いてきました。

「学び直したい!」
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ぜひ、手に取ってみてください!

考える力を鍛える「穴あけ」勉強法: 難関資格・東大大学院も一発合格できた!

この記事はシリーズ「河合薫の新・リーダー術 上司と部下の力学」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。

ウェビナー開催、「1時間で完全理解 『量子コンピューター』は何がすごいのか」

 岸田内閣の「新しい資本主義」の重点投資に組み込まれた量子コンピューター。既存のコンピューターよりも処理速度が速いといわれる量子コンピューターですが、その技術や、我々の社会や経済をどう変える可能性があるのかを理解している人はまだ少ないのではないでしょうか。

 日経ビジネスLIVEでは9月13日(火)19:00~20:00に「1時間で完全理解、 『量子コンピューター』は何がすごいのか」と題してウェビナーをライブ配信する予定です。登壇するのは、住友商事で新規事業創出を担うQXプロジェクト代表・寺部雅能氏と、業界動向に詳しい野村総合研究所IT基盤技術戦略室エキスパート研究員の藤吉栄二氏。量子コンピューターの技術的な特徴から、ビジネス活用の最前線まで分かりやすく解説します。

■開催日:2022年9月13日(火) 19:00~20:00(予定)
■テーマ:1時間で完全理解、「量子コンピューター」は何がすごい?
■講師:寺部雅能氏(住友商事QXプロジェクト代表)、藤吉栄二氏(野村総合研究所IT基盤技術戦略室エキスパート研究員)
■会場:Zoomを使ったオンラインセミナー(原則ライブ配信)
■受講料:日経ビジネス電子版の有料会員のみ無料(事前登録制、先着順)
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