ところが、自由を与えられた社員たちは「上司がいるのに帰れない」とトップに直訴。それでもトップは「結果さえ出せばいいんだ。みんなで文化を変えよう!」と、何度も何度も社員に言い続けた。

「僕は社員を信じている」

 その気持ちが社員にも伝わったのだろう。社員たちは次第に自分のペースで、自分がもっとも結果を出せる働き方を工夫するようになり、生産性は右肩上がりで向上。現在の売上高は19億ユーロ、日本円で約2520億円。現地知人によると、本社のエンジニアの売上高は一人あたり2億円近くとの情報もある。

■変更履歴
記事掲載当初、「一人あたり1億8000万円稼いでいる計算になる。」としていますが、お詫びして削除し、「現地知人によると、本社のエンジニアの売上高は一人あたり2億円近くとの情報もある。」を加えました。本文は修正済みです。[2018/5/8 15:10]

 「僕は社員を信じている」と、パプスト社のトップは断言する。そして、「自由に慣れ、堕落した働き方をする社員も出てくるかもしれない。大切なのはそのリスクを経営者が常に考え、働く人たちと向き合うことだ」と。

 現在、同社は「一日の最低出社時間」も廃止し、「最低週38時間は必ず働いてくれればいい。ただし、一日働いた時間は必ず記録して欲しい」と、労働者の健康を守るために時間管理義務(企業)の協力をしてもらっている。

 信頼の上に信頼は築かれ、期待の先に結果がある。そのシンプルな「人」の摂理を私たちは忘れているのかもしれない。

『他人をバカにしたがる男たち』
発売から半年経っても、まだまだ売れ続けています! しぶとい人気の「ジジイの壁」

他人をバカにしたがる男たち』(日経プレミアシリーズ)

《今週のイチ推し(アサヒ芸能)》江上剛氏

 本書は日本の希望となる「ジジイ」になるにはどうすればよいか、を多くの事例を交えながら指南してくれる。組織の「ジジイ」化に悩む人は本書を読めば、目からうろこが落ちること請け合いだ。

 特に〈女をバカにする男たち〉の章は本書の白眉ではないか。「組織内で女性が活躍できないのは、男性がエンビー型嫉妬に囚われているから」と説く。これは男対女に限ったことではない。社内いじめ、ヘイトスピーチ、格差社会や貧困問題なども、多くの人がエンビー型嫉妬のワナに落ちてるからではないかと考え込んでしまった。

 気軽に読めるが、学術書並みに深い内容を秘めている。

この記事はシリーズ「河合薫の新・リーダー術 上司と部下の力学」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。

ウェビナー開催、「一生健康で飲むための『飲酒の科学』」

■開催日:2022年5月30日(月) 19:00~20:00(予定、開場はセミナー開始10分前から)
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■講師:肝臓専門医 浅部伸一氏/酒ジャーナリスト 葉石かおり氏
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