「えげつないなぁ」
「部長に新人でもできる仕事をやらせるって、パワハラだろ」
「これじゃ、社員の士気は下がるっしょ」
と批判する?
「うちだって追い出し部屋あるから仕方ないだろ」
「上が変わったんだから仕方ないだろ」
「サラリーマンの宿命。仕方ない」
とあきらめる?
あなたはどっち?
私の見解を述べると、私はいかなる状況であっても、“追い出し部屋制度”(あえてこう呼びます)には反対である。
これは、会社がどれだけ否定しようとも、心理的なプレッシャーを掛けて「自ら辞めてもらいたい」がための制度で、それ以上でもそれ以下でもない。
リストラしたいのであれば、正々堂々行うべき。きちんとした手順で、時間をかけ、ターゲットになった社員が納得して自主退社している企業は、世の中には山ほど存在している。
なぜ、建前と本音を使い分けるのか? なぜ、自分たちにリスクのない「自主退職」を強要するのか? 私にはその“やり方”がどうしても解せないのである。
心理的なプレッシャーほど傷跡が深く残るものはなく、自尊心を低下させ、残る社員に不安を煽るものはない。
「ついていく上司」=その人の運?
さらに、ターゲットを免れた“レイオフ・サバイバー”は、自分に対してのみならず、組織にも否定的な反応を示す。怒り、抑うつ、不安、経営層への不満・不信感、リストラされた同僚への罪悪感、会社へのコミットメント低下、人員削減による作業量の増加が生じ、結果的に個人の生産性は下がり、最悪の場合レイオフ・サバイバーがメンタル不全に陥り、予期せぬ人員不足が加速する。
加えて、会社へのイメージも確実に下がる。
「あの会社、追い出し部屋作ったそうよ」
「え? そうなの?」
「コストカットってことよね」
「高いお金払って買ってるのに、心配だわ。製品の品質は大丈夫なのかしら?」
「そうよ。高いだけに心配だわ~」
なんて具合に、顧客不安が広がるかもしれないのだ。
つまり、“追い出し部屋”ほど不毛な施策は存在しないのである。
しかしながら、やり方には反対だが、記事には「??」というコメントが含まれていたのもまた事実。「ついてきた上司を間違えただけで左遷」というコメントには、申し訳ないけどちっとも共感できなかった。
気持ちはわかる。
でも、トップが変われば組織は変わる。上司が変われば、求められる部下も変わる。それは企業に雇われている人であれ、フリーランスで契約している人であれ状況は同じで、いわば「マッチングの問題」。
[コメント投稿]記事対する自分の意見を書き込もう
記事の内容やRaiseの議論に対して、意見や見解をコメントとして書き込むことができます。記事の下部に表示されるコメント欄に書き込むとすぐに自分のコメントが表示されます。コメントに対して「返信」したり、「いいね」したりすることもできます。 詳細を読む