「『アナタに期待してるのよ!』って感じで細かい指示を出すんですよね。前の女性上司がソレでした。私の暗黒の時代です(泣)」(女性B)

 「『あーした方がいい』なら、まだマシですよね。私なんて、学生の採用面接官をやったときに、『なんでそんな服装でいったのよ!そんな服着てたら、女子学生が敬遠するじゃない!』って怒鳴られました(笑)」(女性C)

 「ど、どんな服装だったんですか?」(河合)

 「黒のパンツスーツです」(女性C)

 「リクルートスーツみたいだってことですか?」(河合)

 「っていうか、スカートにしろってことでしょ?」(女性A)

 「そうです!!」(女性C)

 「うちの部長(女性)と一緒ですね。『女性が地位を得ることはオトコ化することじゃないって』いうのが自論で、絶対にスカートに5センチヒールで、イヤリングはマストですよ」(女性A)

 「まぁ……。う~~ん。私も普段はジーンズかジャージですけど、(外で)仕事のときは必ずピンヒールなので……耳が痛いですけど…」(河合)

 「それを下に強要するから、鬱陶しいんです。辞めてしまう女性たちには、それがプレッシャーになる。あ、何度も言いますけど、助けられることも多いんですよ。でも、たまに出るひと言がキツい。自分の人生すべて否定されたような気になるので、嫌になる人もいるんだと思います」(女性A)

 「うんうん、わかります。ソレ」
 女性Aに続きこう切り出したのは、女性Bさん。以前、女性上司の下だった時を、“暗黒時代”と称した32歳だ。

 「前の女性上司はK大出身で、ものすごく意識高い系。Facebookにも家族写真とかよく投稿して、『リア充』自慢がスゴいんです。でも、はっきり言って彼女は子育てなんかしてない。シッターさんを雇っているんです」

 彼女は毎年、年明けに自分の部下、以前部下だった人も含めて、全員に“Happy New Yearメール”を出すんですね。ところが今年はヘッダーに、“#me too”が付いていたんですよ」

 「あの“#me too”ですか?」(河合)

 「はい、あの“#me too”ですけど、正確に言うと“社内#me too”です。
 自分が若いときから散々受けていたセクハラを告発しているんです。実名こそ書いてありませんでしたが、誰のことを言っているかはだいたい分かる」

 「内容は『終電がなくなるまで飲み会に付き合わされた』『ネクタイを買うのを付き合わされた』『深夜や休日に呼び出された』とか、その類いのもので、性的な被害にあったというものではありませんでした」

 「で、『私はこういうセクハラに耐えていた自分を恥じている。私はもっと勇気を出して拒否すべきだった。そうすればもっと多くの女性たちが、前のめりにキャリアを築けたのではないかと反省しています』って書いてあったんです」

 「……ワタシ、結構、引いちゃったんですよね。自分のこと美化し過ぎだな、って。だって、告発されていると思われる人は、すごい仕事ができる人で2年前に他社から引き抜かれて、今はその会社の社長をやっている人です」

 「彼女(女性上司)は、その人に目をかけてもらっていたんだと思うんです。言い方は悪いですけど……、彼女が今のポジションまで上り詰めたのも、本人の頑張り以上にその人の引きがあったんだと思うんです。なのに『自責の念にかられて告白しています』って言われても、全然説得力がない」