今回は「アルバイトにはお金以上の“価値”があるか?」について、アレコレ考えてみる。

 個人的な見解を先に述べると、「ある」と言えばあるし、「ない」と言えばない。

 私は「時給が高い」という理由で、学生時代に家庭教師をしていた。単なる「お小遣い」稼ぎ。それ以上でも以下でもなかった。今思えば、かなり恵まれた学生生活を送っていたのだと思う。

 なので何一つ、バイト、への期待はなかった。家庭教師をすることが、自分にとってどういう意味や価値があるかなんて、微塵も考えなかった。

 だが、実際に家庭教師をやってみるといろいろな出来事があり、子どもに教えることで自分が学び、子どもの家庭で毎週2時間も、面と向かって過ごした経験は私の大きな財産となった。

 とはいえ、それらはバイトをしているときに気付いた価値ではない。

 年を重ね、社会人として仕事をしているうちに、「ああ、あのとき……」といった具合に記憶の箱から引っ張り出され、“価値”あるものとなったに過ぎない。つまり、すべて後付け、である。

 ところが、最近はバイトをする当事者である学生たちが、リアルタイムで「その価値」を考え、バイトをやるうえでの「モチベーション」にする時代になってしまったようだ。

 アルバイト情報「an」と金城学院大学の学生が共同で、次のような動画CMを作成し、物議をかもしているのである。

 カフェのバイトでコップを割り、店長らしき人物に叱られ落ち込む学生。「気にしなくていいよ」と先輩が励ますけど、元気が出ない。

 そこにやってきた常連のお客さんが声をかけた。

「なんか元気そうじゃないね。キミに珈琲を入れてもらうと、いつも商談がうまくいくんだよね。だから笑顔で頼むよ」

「ありがとうございます!」元気になる学生。

「よかったね」と駆け寄る先輩……

「アルバイトにはお金以上の価値がある」