出世を目指す女性が増えることは頼もしいが、彼女たちに「ジジイ化」だけはしてほしくないと願う……

 「女性社員たちの“オス化”がすごくって、結構、驚いています」──
 某大手企業で部長を務める男性はあきれ顔でこう話し始めた。

 オス化──。
 ふむ。微妙な言い回しである。
 数年前なら躊躇なく使っていたけど、ナニかと過敏なこのご時世、不用意に使って大丈夫な言葉なんだろうか?

 実はつい先日も、私がインタビューした女性が、社内の役員会議で“過敏症候群”(←私が勝手に付けた名前です)とおぼしきやりとりがあったと教えてくれた。

役員A:「“ジジイの壁”は確かにある。でも、“ババアの壁”もあるな」

役員B:「ある、ある」

役員C:「でも、“ババア”はまずいだろう」

役員D:「侮辱的な意味があるからな……」

女性:「男性はジジイって言われても平気なんですか?」

役員一同「別に、何も気にならない」

役員C:「比べるのが変だよ!」

役員一同「(大きくうなづく)」

 このやりとりを教えてくれた女性曰く、
 「女性差別の端っこが垣間見えた気がしました(苦笑)」と。
 「でも、男の子のいるお母さんは、ババアって言われていますよね。それでもうれしそうに世話を焼いてる」と、笑っていた。

 これは拙著『他人をバカにしたがる男たち』の帯に書かれている「職場に社会にはびこるジジイの壁の正体」を見たときのやり取りだそうだ(この会社ではありがたいことに社員教育用にご購入いただいた)。

 ちなみに“ジジイ”とは、
 「変化を嫌い、自分の保身だけを考え、『会社のため』『キミのため』と言いながら、自分のために既得権益にしがみつき、属性で人を判断し、『下』の人には高圧的な態度をとる人びと」のこと。

 ジジイは年配の男性とは限らず、女性にも若者にもジジイはいる。そして、おそらく誰もがジジイ的なものを心の奥底に秘めている(私も含め)。しかしながら、今の日本の職場ヒエラルキーの「上階」が男性で占められているので、“ババア”ではなく“ジジイ”と呼んでいるのだ。

 と、ちょっとばかり脱線してしまったが、要するに良い意味でも悪い意味でも、「女性」にはまるで腫れ物に触るがごとき過敏になっている昨今。“オス化”という表現はやっぱり微妙だ。それでもやはり使います!「メス化する男たち」なんて本もありましたし……。

 というわけで、今回は「オス化する女たち」というテーマで、アレコレ考えてみようと思う。