
「あなたは79歳で高齢だ。若い社長が就任できないのは、あなたの存在が原因なんじゃないのか。老害という言葉もある」
「私は確かに後期高齢者です。老ではあるが、害ではない」――。
一昨年の株主総会で、株主とこんなやり取りをしていたキヤノンの御手洗氏が、社長を退くことになった。
「良かった! やっとこれでゆっくりできるね!」
「決めたよ。社長辞めるよ」
「良かった! やっとこれでゆっくりできるね! 長い間ご苦労様でした!」
ってな具合に、もし、もし、もしも私が娘だったら、80過ぎまで第一線で働いてきた父親を労い、内心ホッとするに違いない(御手洗さん、勝手に娘になってすみません)。
どんなに“仕事が大好き!”だったとしても、年齢的なことを考えれば、「一休みして、また違ったカタチで働いて欲しい」と、間違いなく願う。
ところが、76歳のときに「今こそベテランの出番だ!(ちなみにその際、社長から相談役に退いた内田氏は70歳だった)」と社長復帰した“お父さん”は、まだまだがんばるのだと。
会長とCEOは引き続き務め、「今までどおり、会社全体を見ていく」というのである。
80歳。ふむ、実にお元気である。これからも、毎朝4時に起床し、ネットでニュースをチェックし、朝7時に出社し、一般の社員の就業開始の8時30分まで、伝統の“朝会”で役員たちと意見交換したり、新社長の相談にのったりするのだろうか。
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